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優良防犯機器認定制度(RBSS)について

社団法人 日本防犯設備協会 事務局長 保里 康一氏

社団法人 日本防犯設備協会
事務局長 保里 康一氏


2009年3月4日(水) 11:00〜11:40
東京ビッグサイト
西ホール1階アトリウム「セキュリティ ステージ」

優良防犯機器認定制度(RBSS)とは

RBSSマーク

優良防犯機器認定制度(RBSS)とは、日本防犯設備協会が、国民の皆様の安全・安心に寄与することを目的に、防犯機器に必要とされる機能と性能の基準を策定し、その基準に適合した機器を「優良防犯機器」と認定することにより、優良な防犯機器の開発及び普及促進を図るという目的を持った、日本防犯設備協会の自主認定事業です。

RBSSキャッチコピー

「優良防犯認定機器」には、防犯機器の安心マークである「RBSSロゴマーク」を表示できます。今回のSECURITY SHOWの会場の中でも、このロゴマークがあちらこちらで掲示されています。

日本防犯設備協会の設立と検査検定制度

社団法人日本防犯設備協会は昭和61年6月に設立しました。設立の目的の中に「優良防犯機器検査検定制度」、あわせて「防犯設備士養成」という骨格が盛り込まれています。

昭和61年当時、粗悪な、いろいろな防犯機器が特に基準もなく広まり、販売・設置されていました。施工側の経験不足等で、システムが作動不良を起こしたり、また「誤報」、つまり、実際に人が入っていないのに警報が出たりといった事例が多々発生しました。 このような背景をふまえて、まずは、優良な防犯設備を世の中に提供すること、また、機器の設置を適切に設計・施工するエンジニアを養成することが目的として掲げられました。私どもは多くの活動行っていますが、今日に関係するのはこの2つです。

日本防犯設備協会のRBSSへの取り組み

当協会のRBSS制度への取り組みの経緯ですが、昭和61年に「検査検定制度」の検討を開始しました。途中休止を挟みながら検討を継続し、平成6年にはセンサー(3品目)を対象とする「認定制度」の基準を策定し、実施検討を終了しました。 しかし、その時代では社会的なニーズも顕在化しておらず、また自主検査を行うにあたり、機種によっては協会として経済的に成り立たないだろうということで、実際の運用が困難だという判断が出ました。結果として、実施は当面見送られ、凍結となりました。

その後およそ10年を経て、米国の9.11テロの後、英国における地下鉄テロの実行犯検挙に防犯カメラが非常に効果的に活用されたこと、また、各マスコミでも取り上げられているように、防犯カメラ映像が犯人検挙に非常に効果的に活用されているということが、一般の認識を高めました。また、カメラや記録装置の性能向上や適切な設置について、警察関係者からの要請も増大しました。

東京ビッグサイト 西ホール1階アトリウム「セキュリティ ステージ」

粗悪品とまではいきませんが、防犯カメラとして不適切なものが使われていたり、ただ映っていればいいという判断で付けられたりということの積み重ねが、「映像がきれいに映らない」という結果となり、やはり防犯カメラはきちんと映らなければいけないという社会的な要請がだんだん高まりました。このような背景を受け、平成16年4月から平成20年3月にかけて、検査検定制度実施の可能性の検討を再開しました。

検査検定については、いわゆる消防認定や国家資格に近いシビアな検定を行い、それを認定するという仕組みを考えていました。しかし、もう少し柔軟に対応しようということで、日本防犯設備協会の「自主認定事業」に変更しました。 また、「防犯カメラ」「デジタルレコーダー」等、国民や社会のニーズが高い品目から順次認定基準を作り、世の中に採用していただこうということに方向転換しました。 こうした経緯で、平成20年10月に「優良防犯機器認定制度」がスタートしました。

RBSSがなぜ最初は防犯カメラ、デジタルレコーダーから始まったか

なぜ最初は防犯カメラとデジタルレコーダーだったのでしょうか。これは先程も少し説明しましたが、防犯設備の中でも、防犯カメラとその映像を記録する記録装置の重要性に対する社会的な認識が高まってきたという背景があります。 ところが課題として、せっかく設置しても映像が不明瞭で役に立たないケースが多々ありました。また、記録データが記録密度やコマ数において不十分なものがある、記録装置の操作方法がメーカーによりまちまちで、いざ「映像を再生しよう」「別の媒体に記録して再度分析しよう」というときに非常に分かりにくい、といった指摘が警察関係からもありました。それを受けて進めたのです。

では、悪い映像とはどのようなものでしょうか。 悪い映像とは、せっかく映像として残っていてっも、1)適切な画角が得られない 2)逆光で見えない 3)記録データの解像度 4)記録こま数が不適切等で顔・動作・色が分からないなどです。カメラや記録装置を設置しても実際には役に立たない悪い映像が多くあるということです。このようなことが悪い映像の例としては考えられますが、こうしたものをきちんとした映像にしていかなければなりません。平成18年度、日本防犯設備協会の映像セキュリティ委員会において、実際にうまく映っていない実例により、その映像を検証しました。

記録画像の悪い原因

映像を分析した結果、次のような問題がありました。まず、カメラ設置の画角・位置の調整です。画角とは、「どういう位置で、どういう映像を映すか」です。顔だけを見るのか、姿形を見るのか、それとも行動を見るのか、そのための位置関係が不適切だったり、ズームの設定がまずかったりということも、大きな要因としてあります。また、カメラの設置位置がまずく、肝心なところが映らないように配置にされていたという問題もあります。

ほかには、カメラ選定、カメラ調整、カメラメンテナンスが不良(たとえばハウジングのガラスが汚れていてうまく映っていないなど)です。機器の調整が不良、記録機器の選定がまずい、つまり解像度が不適切である。機器のメンテナンス、たとえばタイムラプスの映像だった場合、テープが劣化してうまく記録されていない。照明が暗くてうまく映らない。以上のような原因が出てきました。

では、このような背景には何があるのでしょうか。 設計上、設置上、保守上の問題ももちろんあるのですが、各々の機器の性能不足が存在しているということが、背景として浮かび上がってきました。

平成11年から平成18年までの「防犯設備機器の市場統計」において、タイムラプスとデジタルレコーダーの市場規模の調査結果を見ると、VHSテープで記録する方式のタイムラプスビデオは、平成11年からどんどん落ち、平成18年にはゼロに近くなっています。

一方、デジタルレコーダーはどんどん伸び、平成18年には200億円を超えています。これは台数ではなく、金額ベースのトレンドですが、このように、今、デジタルレコーダーが市場で99%を占めていると言われています。

いわゆる防犯カメラ、そしてデジタルレコーダーは社会的ニーズも高まり、市場に出ている台数も相当増えてきたという背景をふまえ、認定制度がカメラとデジタルレコーダーからスタートしたことをご理解ください。

RBSS制度の概要

RBSSは先程も申し上げたように、日本防犯設備協会の自主事業です。 実施体制としては、まず機器メーカーに申請書類を作成していただき、それを「RBSS審査会議」で審査します。これは各機器に対する個々の審査です。ここで、申請書の中身と、我々の基準を付き合わせ、この内容が合致しているかどうかを調べさせていただきます。

その次の段階では、1社から多数の機器の申請がある場合がありますので、それを受けて、総合的な適否審査を行います。これが判定会議です。この判定会議を経て、合格・不合格が決まります。

公演中の社団法人 日本防犯設備協会 事務局長 保里 康一氏

「RBSS委員会」では、新たな認定基準を作成したり、どういう機種を審査の対象にするかなどを審議したり、世の中の基準が少し変わってはいないかなど、フィードバックを受けて再検討するといったことも行います。

これらの作業を行う組織が、日本防犯設備協会内の組織として存在しています。外部に事務局があり、受付の処理や各会議の運営などを司っています。

さらに、「RBSS審議会」という組織があります。これは、学識経験者、実務をいろいろな形で経験された方など、日本防犯設備協会外の方を委員として、この制度が正しく運用されているかを監査します。

こうした体制で、適切に事業を展開していこうと考えています。

RBSS制度の審査内容

まず、事業者資格審査があります。これはRBSS機器を製造している事業所単位で、資格審査を行います。これを満たした条件で、機器認定検査を行います。機器が我々の基準に則っていても、事業者資格審査が通らなければ、RBSS機器として認められません。 では、それはどのような内容でしょうか。

事業者資格審査では、製品の供給体制、据え付けた後の保守体制、製品の部品が破損した場合、それを交換する保有体制などがしっかりと構築されていることが認定の条件です。 また、日本での販売網、問い合わせ窓口を持っているか。日本でのメンテナンス網を持っているか。機器の保証範囲が適切かどうか。瑕疵日担保責任を持つことを宣言しているか。補修用部品は製造中止後7年間供給可能であるか。ISO9001品質相当の工場で生産しているか、品質管理がしっかりしているか。このようなことを検査し、認定します。従って、メンテナンス能力がない会社は資格を取得できません。また、品質マネジメントシステムがないメーカーも資格が取得できません。

その後、機器の機器審査となります。 防犯カメラについては、共通機能として10機能あります。また、高度機能の審査もあります。

防犯カメラ機器審査

ここには代表例が2つ出ています。Aという機器は、共通機能により認定を受けようとしており、Bという機器は共通プラス高度機能の認定を受けようとしています。 共通だけ受けてもRBSSとしては認定されます。さらに、たとえば最低被写体照度が0.5ルクス以下の性能を持つものは、高度機能に位置づけられます。

通常、共通機能の場合は、明るさが3ルクス以下であれば認定は受けられます。被写体照度0.5ルクス以下が高度機能ですが、これは夜間外部の比較的暗いところで顔がわかるレベルと規定しています。

たとえば、屋内で人の行動を肉眼で確認できる程度の明るさは、水平面、路上面で3ルクスです。それを顔の位置まで持ってくるとどのくらいの明るさにあるか。これは垂直面で、だいたい0.5 ルクスです。3ルクスの地表面で、だいたい1.5メートル上がって垂直面で見ますと、0.5ルクスというわけです。従って、カメラの最低被写界高度機能を0.5 ルクス以下としています。

RBSS高度機能画像の見え方例

実際に0.5 ルクスで、我々の認定に適合したカメラで映した画像がこれです。右側の人物はマネキンですが、顔の位置、輪郭、着ているもの、姿、身長などがある程度想定できるぐらいの映像として映っています。人の動作がきちんと把握できるという意味では、0.5 ルクスあれば撮影できるだけの性能が必要だということです。

デジタルレコーダー機器審査

デジタルレコーダーは、共通機能が13機能、高度機能としては3機能位置づけています。 記録装置は、現在、ハードディスクを対象としています。ハードディスクはご存じのように、パソコンの電源を抜くとクラッシュする可能性が一般的にあります。これに対しては、5回停電耐力、すなわち動いている状態で、突然電源を切っても画像が飛ばない、正常に記録されたデータが残っているということをベースとしています。平均故障間隔である3万時間に1回故障することを保証します。

また、画像サイズとしては、RBSS画質を規定していまして、デジタルレコーダーの場合、フィールドレベルで450TV本を保証することが必要となります。また、通常のもので1秒あたり4枚のフレーム(残り半分が1秒1枚でも可)が記録できることをベースとしています。

高度機能の場合は、高密度記録全チャンネルで1秒間に5枚以上撮れることがポイントです。 音声記録ができることも高度機能で、音声と画像がずれないことを規定しています。 以上のような機能を合わせて、デジタルレコーダーの審査基準としています。

防犯カメラとしてもう1つは、カメラの映像をデジタルレコーダーで記録して、その結果、どの程度映像がきれいに映っているかの判断が必要です。カメラでは、RBSS基準は470TV本以上。記録装置としては、450TV本以上となっていて、システム全体としては450TV本以上と規定しています。

10年前ですと240TV本がやっと。それが5年前では220~450 TV本というレベルまで上がり、現在450 TV本は妥当な数字だと考えています。450TV本というのは、テレビのモニターに映った画像で、450本の縦方向の線が1本1本識別できるレベル、ぼやけて繋がっているのではなく、分離して見えるレベルの解像度です。

RBSS認定までの流れ

東京ビッグサイト 西ホール1階アトリウム「セキュリティ ステージ」での講演

では、RBSSに申請する場合、どのような手続きが必要か、どういう流れで受理・認定されるかについてお話します。

まず、申請者が事務局へ申請書類等を提出していただきます。それにあわせて審査会議が開かれ、ここで適否を判断します。その結果を受けて、総合的に判定会議を行い、そこで合格となれば合格通知を出します。どちらかで不可になれば、不合格での通知となります。

平成21年度は、年4回実施する予定です。昨年10月にスタート後、各社から多数の申請をいただきました。審査の結果、現在、認定企業数が8社、防犯カメラは51機種、デジタルレコーダーは25機種が認定されています。

RBSS制度と防犯設備士

日本防犯設備協会が認定を行っている制度としてRBSS制度と防犯設備士の2つがあります。RBSS制度は当協会が21年前に発足してやっと昨年スタートした制度ですが、防犯設備士はすでに10年以上実施されている制度です。

優良防犯機器は適切な機種選定・設置・保守管理がなされて初めて機能します。RBSSはあくまで機器の認定ですので、これが適切に付けられる、設計される、保守される、そして最終的には部品交換などが適切に行われて初めて機能します。 また、カメラとデジタルレコーダーなど機器の単品性能だけではなく、実際にリアルタイムで映像を見るのであればモニターも必要ですし、その結果、それらをつないだシステムとしての性能がきちんと機能しているかどうかの検証は、現地で設置したり管理する方が行わなければなりません。それに伴い、設計、機種選定、設置施工、保守管理の知識を持った技術が必要です。これを行う資格者として日本防犯設備協会は防犯設備士を育成しています。

RBSS制度と防犯設備士は、車の両輪のイメージです。総合防犯設備士は全国に253名います。また、防犯設備士は全国に約18,200名います。RBSS機器はそういう方々に支えていただきたいと考えています。両方がうまく回ることによりまっすぐ進んでいくというイメージで、車の両輪と位置づけて、今後、これらの事業の充実を図りたいと考えています。

RBSSをよりご理解いただくために

RBSSをよりご理解いただくために、パンフレットを作成してRBSSの概要を紹介しています。 また、日本防犯設備協会のホームページでもRBSSについてご説明すると同時に、各社の認定機器を紹介しています。「優良防犯機器認定制度」のページでは、今後の認定スケジュールも掲載しています。平成21年度(2009年)は4月16日に第3回の申請受付の締め切りがあるほか、年4回申請を受け付けます。「規程・運用細則・RBSSマーク・料金体系」を見ていただければ、どういう基準で運用されているかおわかりいただけます。

RBSSマーク運用については、事業として考えた場合、「1枚1枚シールを発行し1枚いくらというお金をいただく」ようにすれば、シールを売れれば売れるほど収入が増えることになりますが、今回、当協会はそのような考えをしていません。一時金として、申請の手数料だけをいただき、認可された製品については、RBSSマークの版権を譲渡し、独自に印刷して添付していただくことを認めています。これが当制度の特徴にもなると思います。

社団法人 日本防犯設備協会 --認定機器防犯カメラ目録--
日本防犯設備協会「認定機器防犯カメラ目録」

では、どういう機器が、現在、認定されているでしょうか。 「認定機器防犯カメラ目録」では、RBSS認定品が申請認可順に並んでいます。「高度機能」の欄には、(1)高感度タイプ (2)デイナイトタイプ (3)電子感度アップ (4)電源重量 (5)ドームカメラ耐衝撃 (6)ダイナミックレンジ拡大 (7)PTZ一体など7つの高度機能基準のうち、どの機能に合致しているかを表記しています。

2009年2月20日現在で、TOA、日立製作所、パナソニック、熊平製作所、東芝テリー、日立国際電気、三菱電機、池上通信機、以上8社が認定を受けた製品を持っています。

デジタルレコーダーについても同様に情報を掲載しています。写真をクリックすると、製品イメージがわかります。製品の詳細は、メーカーに直接お問い合わせください。

また、ホームページには「防犯設備士」という項目もあります。防犯設備士の申し込みをされる場合は、こちらをご覧ください。

最後になりますが、本制度は、警察関係の方々、各メーカーの方々、日本防犯設備協会の各委員会の方々、警備業関連団体や全国防犯協会連合会など関連団体の皆様のご支援によりスタートすることができました。この場を借りて深く御礼申し上げます。それとともに、今後、いろいろな社会のニーズをふまえ、次の機種を選定していくにあたってもご支援いただきたいと思います。 (終)

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