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セキュリティー対策ソフト、クラウド対応競う、M&A駆使戦線拡大。

2010年09月01日 / 日経産業新聞 このエントリーをはてなブックマークに追加

トレンドマイクロ シマンテック マカフィー

 セキュリティー対策ソフトの主戦場が、高機能携帯電話(スマートフォン)やゲーム機など、パソコン以外の端末に移りつつある。パソコンに限らず、あらゆる端末がネットにつながるクラウドコンピューティング時代。新たな需要に対応するため、各社はM&A(合併・買収)を駆使して、成長が見込めるクラウド端末に戦線を拡大している。

 「機器に依存せず、デジタル情報を安全に交換できる社会を目指す」。31日、トレンドマイクロの大三川彰彦取締役は、パソコン用セキュリティー対策ソフトの発表の場で強調した。

 パソコンのみならず、ゲーム機やスマートフォン、ルーターやネットワーク型ストレージ(NAS)を保護の対象にしたセキュリティー対策機能を提供する。

 不正サイトのアドレスなどセキュリティー関連情報を同社のデータセンターに集約。フィッシング詐欺防止やオンラインストレージなどの機能をあらゆる端末に提供できる。既にゲーム機向けにはフィッシング詐欺防止機能を有償で提供、事業化に踏み切った。

 クラウド時代には、あらゆる電子機器がコンピューターウイルスや不正サイトの脅威にさらされる。「もうパソコンだけを守ればいい時代ではない」。セキュリティー対策ソフト大手、米シマンテックのエンリケ・セーラム社長兼最高経営責任者(CEO)は指摘する。

 シマンテックは4月以降、サイト認証や暗号技術大手の買収に1500億円近くを投じた。あらゆる端末に向けサイトやデータの安全性を保証する体制を整える。マカフィーは5月、8月と携帯電話向けセキュリティー対策会社を相次ぎ買収した。

 さらにそのマカフィーを丸のみしたのが米インテル。8月19日にマカフィーを約77億ドルで買収する計画を明らかにした。インテルの狙いは、非パソコン機器向けセキュリティーの強化だ。インテルとフィンランドのノキアが共同開発する携帯端末向け基本ソフト(OS)「ミーゴ」などに、マカフィーのセキュリティー技術を応用するとみられる。

 スマートフォンやタブレット端末を保護するプラットフォームの業界標準を握るのはどの企業か。今後もM&Aを含めた主導権争いが激化しそうだ。

(浅川直輝)

【表】パソコン以外のセキュリティー対策ソフトにかかわる企業買収   

発表   案 件

4月29日   米シマンテック、暗号大手の米PGPを買収

5月19日   米シマンテック、米ベリサインの電子認証部門を買収

25日   米マカフィー、携帯機器向けセキュリティーの米トラストデジタルを買収

6月11日   トレンドマイクロ、アイルランド子会社を通じてオンラインストレージの英フミョを買収

8月3日   米マカフィー、シンガポールを拠点とする携帯機器向けセキュリティーの米テンキューブを買収

19日   米インテル、米マカフィーを買収

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