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防災の日、同時発生を初想定、未知の広域地震、対策なき訓練――救援体制整わず。

2010年09月01日 / 日本経済新聞 夕刊 このエントリーをはてなブックマークに追加

「大綱」作りは12年度以降

 政府は1日の防災訓練で東海、東南海、南海3地震の同時発生という未知の超広域災害に対峙(たいじ)した。3連動地震の発生リスクが高まる中、十分な研究や活動計画がないまま訓練を先行させるのは異例で、1日は救援体制の概要を「暫定的なもの」として公表しないなど備えの遅れは明白。国は来年度に本格的な被害想定の策定作業に入るとしており、今回の訓練で得た課題もふまえた早急な対応指針作りが求められる。(1面参照)

 午前8時25分から首相官邸で始まった訓練には、全閣僚や関係省庁の職員ら約100人が参加。菅直人首相が冒頭で「これまでにない広域な地震。重大な局面にあたり、国民の安全確保を最優先し、政府が総力を挙げて対策を実施する」と述べた後、閣僚が地震と津波の発生状況や自衛隊、警察、消防の救援体制を報告する手順を確認した。

 官邸の大型モニターと各自治体の防災システムをオンラインで結び、刻々と変わる被災状況を把握しながら自治体担当者から電話報告を受ける初の試みにも取り組んだ。

 3地震の連動については未解明な部分が多いのが実情。国は2008年度から5年計画で発生メカニズムの研究を始めたばかりで、訓練の前提とした被害想定も03年、東南海、南海地震の研究過程で出した参考値。

 かたや専門家の間では「3連動」発生リスクの高まりが指摘されており、中井洽防災担当相が訓練実施を決めた経緯がある。

 このため、訓練では対応の遅れが浮き彫りとなる場面も。被災地の応急対応や復興にあたる救援体制の規模について、内閣府は「十分な検討を尽くしていないため」公表を拒否した。訓練終了後、同担当者は「広範囲に及ぶ被災地から届く情報の集約や、迅速な国民への情報提供の体制を構築する必要がある」と課題を挙げた。

 一方、国は3連動地震の発生に備え、被害想定や防災対応をまとめた「対策大綱」の策定を決定。11年度予算の概算要求に関連予算として1億5千万円を盛り込み、12年度以降に大綱作りを進める方針だ。

 ▼東海、東南海、南海地震の連動 駿河湾から四国沖にかけての海底では、いずれもマグニチュード8級の東海、東南海、南海地震が90〜150年周期で起きている。過去には3地震が同時または時間差で起きたケースが多く、直近では1944年の昭和東南海地震の2年後に昭和南海地震が発生。東海地震だけが起きなかったことから、その後の単独発生が予想されたが今も起きていない。このため、東海地震が次の東南海、南海地震と連動する可能性が高まりつつあるとの指摘が研究者から相次いでいる。

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