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NEC、防犯装置など無線機器、電池交換せず数年作動OK、電力3分の1以下に。

2010年03月03日 / 日経産業新聞 このエントリーをはてなブックマークに追加

信号回路改良

 NECは大容量の動画を電波で送る防犯装置などの無線機器を、電池を交換しなくても数年間使えるようにする基盤技術を開発した。無線信号の送受信に欠かせない回路「周波数シンセサイザー」の動作時の消費電力を約3分の1に削減。動作時以外の電力も節約するなどして大幅な省エネを可能にした。2年後をメドに実用化し、防犯システムのほか、携帯電話など無線を使う機器に用途拡大を狙う。

 周波数シンセサイザーは、水晶の振動子から出る周波数の安定した基準信号をもとに、目的の周波数の信号を作り出す回路。回路から発生させた信号と基準信号のずれを繰り返し調べながら、徐々に狙った周波数に近づけていく。携帯電話やテレビなど大半の無線機器に搭載されている。

 ただ従来のシンセサイザーは、信号に含まれる雑音を減らして質を高めようとすると、消費電力が大きくなる課題があった。動画の送受信に必要な毎秒10メガ(メガは100万)ビット級の高速通信では、端末の電池を頻繁に交換する必要があり、実用に耐えられなかった。

 NECはNECエレクトロニクスと共同で、基準信号と発生信号のずれを調べる回路の方式を改良。使わない部品の電源をこまめにオフできるようにして、シンセサイザーの動作時電力を3分の1に抑えた。周波数を制御する方法を工夫し、雑音も従来の20分の1のレベルに抑えた。

 またシンセサイザーの使用時だけ電源を供給し、電力を節約した。信号の品質が高く、データ伝送も効率的にできるため、無線機器全体ではさらに省エネ効果が高まると試算している。小型の携帯端末などに使われる低電力のボタン電池を使い、動画を送受信する無線機器を数年間使い続けられるようになるという。新開発のシンセサイザーの価格は従来とほぼ同じになる見通しだ。

 新技術は様々な通信規格に対応。遠隔監視用のカメラやゲームのコントローラーのほか、デジタルカメラや携帯電話などの省エネ技術としても応用を見込んでいる。


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