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表示分かりやすく(3)「救難記号」空からも識別(広角鋭角)

2010年02月03日 / 日本経済新聞 夕刊 このエントリーをはてなブックマークに追加

 「R」はがれきの下に埋まった人などの救助を求めるレスキュー(救助)。「F」はフード(食料)や水などが不足していることを示す――。和歌山大学は防災研究教育プロジェクトの一環として、災害時の救難記号の開発を進めている。

 研究のきっかけは、2004年、中越地震で孤立した集落が救援のヘリコプターなどに見えるように、道路上に「SOS」「ミルク」などと書いて危機を訴えたことだ。

 将来、紀伊半島沖などを震源に発生が予想される東南海・南海地震。和歌山県などの想定によると、孤立する可能性がある集落は県内でも600を超すとされる。

 同プロジェクト代表の此松昌彦教授は「和歌山は中山間部が多いので、交通や通信が途絶する集落が多数出て、各地で救難メッセージが発せられる可能性がある」と話す。

 試行錯誤の結果、「R」や「F」のほかは、けが人の状態などを表すサインについては色別を採用。重症など一刻も早い処置が必要な場合は赤いシートの中央に縦棒1本が記されている。縦棒は「医師が必要」という意味だ。

 色別を用いたのは「災害現場などで処置の優先順位などを決める際に用いられる4種類の『トリアージタグ』に合わせた」(此松教授)という。「救助隊はトリアージの色を知っているので判断しやすい」ためだ。使い方としては、広場などにシートを置き、その隣に数字を記したシートを並べる。赤いシートの隣に『5』とあれば、重症患者が5人いることを示す。

 シートの素材としては、布などのほか、救難ヘリのサーチライトが当たると、その方向に向かって反射する「光再帰反射型素材」などでも試作した。

 昨年9月には、自衛隊と「救難サイン共同実証実験」を実施。広場にシートを並べて、ヘリからサインの確認をした。その結果、シートのサイズが2メートル四方なら高度300メートルのヘリから肉眼で確認でき、それより一回り小さいサイズでも望遠レンズ付きのカメラを使えば、サインが識別できることが分かった。

 此松教授らは今後、この救難サインの利用を和歌山県や総務省消防庁に働きかける考え。国などがこれらのサインを採用するかどうかなどは不透明だが「中山間部の学校や公民館などにサインの入ったシートを常備してもらい、大災害時での孤立集落の被害を少しでも減らしたい」と期待している。

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