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津波襲来時でも水没せず、三井造船「陸の浮桟橋」、自治体に販売。

2012年01月23日 / 日本経済新聞 朝刊 このエントリーをはてなブックマークに追加

 三井造船は津波・洪水襲来時でも水をほとんどかぶらずに浮き上がるコンクリート構造物を開発した。津波が来ると想定される方向の壁面を斜めにすることなどで水の勢いを受け流し、秒速10メートル程度の津波にも対応できる。構造物の上に非常用発電装置や倉庫を設置したりヘリコプターなどを駐機したりしておくなどの利用法が可能で、水没被害を最低限に抑える。

 浮桟橋の陸上版という概念で、東日本大震災の被災地を含めて自治体などへの販売を目指す。将来は海外の販売も視野に入れる。価格は10メートル四方の大きさで5000万〜1億円。工期は6カ月〜1年を見込む。

 浮桟橋は津波などに強い。海上に設置してフェリー停泊などに使う三井造船の浮桟橋は東北に15カ所あったが、12カ所は津波を受けてもほぼ同じ場所に残ったという。

 陸上浮桟橋は内部を空洞にしたコンクリート構造物で、地上とはチェーンや大型のクイなどでつなぐ。浮桟橋は縦10メートル、横2・5メートルの構造物をボルトなどでつなぎ合わせるため、津波が引いた後に浮桟橋の下にがれきがたまった場合でも、構造物を一度切り離せば簡単にがれきを取り除ける。

 このほど水槽での模型実験で性能を確認。津波が来ると想定される方向の高さ4メートルの壁面を斜めにして津波の水圧を下方向に逃がし、底部には水の通り道をつくることで浮き上がりやすくなる。

 緊急の避難場所としても活用できるほかヘリポートなどとして使えば被災地への物資輸送にも役立つとみる。

 水害に悩む東南アジアでも需要があるとみている。工費は1平方メートルあたり約50万円。

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