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「a&s JAPAN」最新号より

映像管理ソフトウエアはIP監視ソリューションの中核(2)

2009年09月14日 このエントリーをはてなブックマークに追加

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入退管理との連繋

 映像と入退管理システムとの連繋は、各社同様に注力している分野だ。特に、ICカード等を使用した認証時やアラーム発報時の連繋、そしてその検索性能やプレイバック機能などが重要になってくる。

 ジャバテルの佐々木氏も「認証時のイベント管理が重要で、映像との連繋は不可欠だ。当社のOMNICASTならアラームマネジメントで、即プレイバックしてイベント再生することができ、その瞬間を逃がさない」と即時性と可用性を重視する。

 一方、「アクセス制限、時間制限がワンタッチでできるので、就業スタイルに合わせて入退システムの設定を変えられる」と語るのは、入退管理システムNet2を提供するKTワークショップの城戸氏だが、ユーザビリティーの良さも大きなポイントと指摘する。また「動体検知するとスキップ機能が働いて、そのイベントを自動的に検索表示するのもほかにはない機能だ」と続ける。

 また、エルモ社のModel2は動体検知や外部センサーと連動して、対象のカメラ映像をポップアップ表示させることが可能である。光沢氏も「ポップアップ機能を利用することで、センサー反応時のカメラ映像をポップアップと音で効果的に把握することができるため、即応性にも優れたユーザビリティーの高いシステムを提供できる」ことを強調する。

 Lenel社のOnGuardやPCSC社などをはじめとする各入出退管理システムと連繋がとれているのはサンシステムサプライのexacqVisionだ。「イベントの発生時に、映像はもちろんアラーム通知やEメール通知、イベントの即時リプレイなどにより、管理者に適切な形でイベントを通知することが可能である」と小幡氏は語る。

 さらに、入退管理の分野では、共連れ検知や顔認証などの高度システムとの統合を視野に入れる時、映像管理ソフトウエアの役割はさらに重要になる。確かな精度と信頼性を目指して、技術開発を急いでいる。

画像解析との連繋

 若干脇道にそれるが、今、脚光を浴びているのが画像解析エンジンとの連繋だ。そして、この分野で世界市場をリードしているのが1998年設立のObjectVideo社だ。同社は既に80万チャンネル以上の販売実績を誇る。主な機能としてカメラ不正干渉検出、プライバシーリージョン機能、オブジェクトベースのリアルタイム動体検知などを有する。そして今回注目したのが、KTワークショップが提供する監視カメラ画像解析システムOPAXだ。3次元解析による高度な画像解析アルゴリズムを有し、外周侵入検知専用システムとして異彩を放っている。この技術はNATO軍の軍事システムからの民生転用なので、その能力は秀逸だ。同社城戸氏も「立入禁止区域の侵入検知、移動方向や速度の検知、停止車両や駐車車両の検知に最適」と胸を張る。原子力発電所や空港施設、港湾施設や文化自然遺産などの高水準のセキュリティに対応するシステムで、同社のIP監視カメラシステムXProtectと連繋する。

 このほか、動体検知、置き去り/持ち去り検知をはじめ、工場や大手スーパーの動線管理や人数計数への応用など、高度処理機能への取り組みが進んでいる。

輸送分野での応用

エルモ社 システムエンジニアリング部 TMS推進グループ長 岸田清行氏
エルモ社
システムエンジニアリング部 TMS推進グループ長
岸田清行氏

 一方、輸送分野でも映像との連繋が進む。ネットカムシステムズ社の金延氏は「トラックスケール(積荷検量)の分野で応用されている。特にメガピクセルカメラが導入されてからは、トラックのナンバープレートやドライバーの顔を映像として残しておくことで、業務の正確性と記録性を高めている」と語る。

 この輸送分野でもう一つの注目点はRFIDとの連繋だ。エルモ社システムエンジニアリング部TMS推進グループ長の岸田清行氏も「RFIDの可能性は大きい。輸送分野に限らず、広く産業界全体でますます活用される技術だ。そこに映像がリンクすることで、さらにRFIDの可用性を広げ、トラブルの未然防止や事後の検証などに大きな役割を果たすことが期待できる」と力説する。

ネット配信との連繋

 さて、監視システムを利用したユニークな映像活用事例がある。「観光地が自慢の景色やイベントをネット配信し、高齢者介護施設が入所者の元気な映像をネット配信しているケースもある」とサンシステムサプライの小幡氏は語った。遠隔地から、観光名所や肉親の元気な姿をネットで見ることができるのだから、これは微笑ましいサービスだ。

 このほか、各社ともPOSシステムとの連繋はかなり進んでいる。メガピクセル高画質による札券種の特定やクレジットカードの履歴検証などに大きな力を発揮している。

ユニークな路線

MOBOTIX JAPAN 代表 戸田敬樹氏
MOBOTIX JAPAN 代表 戸田敬樹氏

 これまで紹介してきた各社のシステムは、カメラは画像を撮影するだけで、その画像の処理および記録は映像管理ソフトウエアを使用して、管理用PC、DVRやNVRで後工程として行っている。このいわば標準路線と一線を画すユニークなシステムを提供しているのがドイツのMOBOTIX社だ。分散型をコンセプトとするMOBOTIXカメラは、すべてのカメラに高速プロセッサとソフトウエアを搭載している。MOBOTIX JAPAN代表の戸田敬樹氏は「カメラ自体が通信ターミナルであり、PCのような働きをするシステムだ」と語る。今回取材した各社とは全く異なるアーキテクチャとコンセプトを有するため、あえてユニークな路線というくくりで紹介する。他社の映像管理ソフトウエアに相当する部分は、録画部分をカメラ内蔵ソフトが担い、画像検索、解析をモニター用PCにインストールしてあるMxControlCenterが担い、DVRやNVRを必要としない。今春登場した3メガピクセルの360°全方位映像監視カメラQ24とともに、注目すべきシステムだ。

将来の展望

 これまで見てきたように、映像管理ソフトウエアはオープン化の波やH.264への対応、高度なシステム連繋など、様々な時代の変化の要求にこたえて進化することが求められている。米国では、1,000万画素(1,000メガピクセル)つまり1ギガピクセルを実現し、NFLの巨大なフットボールスタジアムをわずか2台のカメラで監視する計画も進行中だという。

 KTワークショップの城戸氏は「H.264にしっかりと対応していくことはもちろん、オープンプラットフォームの柔軟性を活用して市場からの要求に対応したい」との抱負を述べている。

 また、ジャバテルの佐々木氏は「単にカメラやシステムを売る会社ではなく、ソリューションコンサルタントとしての道を追求する」と語るとともに、「パートナーとの連携を密にし、市場専有率の拡大を図って互いにwin-winの関係を構築したい」と将来を見据えている。

 IPネットワーク監視システムは、今後さらに高度なシステム連繋と統合化の道を歩み、オープン化の流れやメガピクセル化も加速するだろう。エルモ社の岸田氏は「機器の進歩や高度化を使いやすさに還元したユーザビリティーに優れたシステム構築を提供したい」と語り、サンシステムサプライの小幡氏も「高精細に対する要求の高まりに確実にこたえ、監視システムのイメージアップを図りたい」と述べる。

また、MOBOTIX JAPANの戸田氏は「当社のカメラはカメラに多くの仕事を負わせている分、PC側にはかなり能力的に余裕がある。今後は入退管理システムと顔認証を連繋した、より高度なシステム構築にもチャレンジしていきたい」と意欲的だ。

 そして、「メガピクセル化やH.264への対応で、IP監視システムに対する期待はますます高まる。WiMAXの動向なども視野に入れ、複雑化するシステム統合の要求やカスタマイズの要望に、自社国内開発の強みを生かしてしっかりとこたえたい」とネットカムシステムズの金延氏は締めくくった。

 いま都心では、ビルの壁面緑化を監視カメラで撮り、温度差を可視化してエコロジー対策に活用する新しい試みも始まっている。映像管理ソフトウエアは、監視用途やマーケティングの世界だけではなく、環境対策分野にもその活躍の場を大きく広げていくだろう。 (終)

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