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「a&s JAPAN」最新号より

高画質ネットワークカメラが開くクリアな識別の世界(2)

2009年01月26日 このエントリーをはてなブックマークに追加

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高画質化のキメ手となるCCD、CMOSセンサ

 さて、高画質を実現する上で基本となるのが、CCDやCMOSセンサなどの撮像素子だ。これまで、一般的にはCCDは高精細で感度が良く、低照度に強い。一方、CMOSセンサは感度に若干弱い部分があったが、メガピクセルなど画素数が多くなると有利になると言われていた。

 「当社のCCDは特に低照度での感度の良さには定評があり、独自の信号処理技術との連携によって高画質を実現している」とパナソニックセキュリティビジネスユニット事業企画チーム主任技師の樋口和貴氏は語る。

 また、PELCO社のラテンアメリカおよびアジア太平洋地域の営業・マーケティング・技術サポートを担当しているクロケットインターナショナル日本事務所のセールス&マーケティングディレクターのトニー・クラークス氏も「CMOSセンサと比べるとCCDの技術は成熟しており、優れているところもある。しかし、CMOSセンサは量産がしやすく低コストにつながるため、当社のSarixシリーズのメガピクセルカメラに搭載しているが、今後利用することが増えていくだろう」と予測している。

パナソニック セキュリティビジネスユニット事業企画チーム 主任技師 樋口和貴氏 クロケットインターナショナル セールス&マーケティングディレクター トニー・クラークス氏
左:パナソニック セキュリティビジネスユニット事業企画チーム 主任技師 樋口和貴氏
右:クロケットインターナショナル セールス&マーケティングディレクター トニー・クラークス氏

 ソニーB2Bソリューション事業本部インダストリアルビジュアルシステム事業部企画課の田口嗣典氏も「やはりCCDは高感度であり、信頼性も高い。特に当社では、セキュリティ用途に適した補色フィルタ型CCDを採用しているため、さらなる高感度を実現している。一方、メガピクセルなど画素数が多くなると、読み出しが簡単なCMOSセンサはデータを取り込むスピードが速く、精度にも優れている。弱かった感度の部分も、センサメーカーの品質改良により克服しつつある。それぞれに特長があり、当社としては今後も個別製品に応じて最適なデバイスを選んでいく」と語る。

 さらに、CMOSセンサの良さを語るのはMOBOTIX JAPAN代表の戸田敬樹氏だ。戸田氏によれば「CMOSセンサはピクセル単位で画像の一部分を切り取ることができ、ソフトウエアによって照度を瞬時に計算して処理することが可能。これがCCDにはない強みだ」と解説する。

 今後はCMOSセンサのみで対応しているMOBOTIX社を除き、各社とも、2メガ、3メガなどの高次ピクセル化に対応するために、CMOSセンサへの移行も視野にいれていく方針だという。もちろん、CCDがなくなるわけではない。「CCD、CMOSセンサそれぞれに利点がある。今後は監視システムの内容やユーザーの求める性能によって、どちらでも対応することができる体制を整えておくことが大切だ」とDYNACOLOR JAPANの副社長松尾憲昭氏は解説する。

ソニー B2Bソリューション事業本部 インダストリアルビジュアルシステム事業部 企画課 田口嗣典氏 MOBOTIX JAPAN 代表 戸田敬樹氏 DYNACOLOR JAPAN 副社長 松尾憲昭氏
左:ソニー B2Bソリューション事業本部 インダストリアルビジュアルシステム事業部
企画課 田口嗣典氏
中:MOBOTIX JAPAN 代表 戸田敬樹氏
右:DYNACOLOR JAPAN 副社長 松尾憲昭氏

高画質を生む周辺技術とジャストフォーカスの追求

 さらに、高画質を生み出す周辺技術にはどのようなものがあるのか。ソニーマーケティングB2Bマーケティング部門B2Bマーケティング2部コミュニケーションプロダクツMK課の野村幸司氏は「天体観測などの分野で使われているビニングという技術が挙げられる。これはCCD素子内で4つの画素の信号を加算して1つの画素として出力。解像度を犠牲にする代わりに感度を通常の4倍に引き上げることができる。当社ではこの機能をメガピクセルに採用し、ライトファンネル機能と呼んでいる」という。つまり、4つのCCD画素を仮想的に1つの画素として扱うことで集光面積を広げる工夫だ。

 また「暗部補正機能では、独自の画像処理アルゴリズムを使って解決している。明るい部分はそのままに影や暗い部分を階調補正して、より自然で見やすい画像の実現が可能になった」とパナソニックセキュリティビジネスユニット事業企画チーム主事の朝比奈純氏は語り、今後は暗部補正機能を搭載した機種を増やしていく予定だという。

ソニーマーケティング B2Bマーケティング部門B2Bマーケティング2部 コミュニケーションプロダクツMK課 野村幸司氏 パナソニック 朝比奈氏
左:ソニーマーケティング B2Bマーケティング部門B2Bマーケティング2部
コミュニケーションプロダクツMK課 野村幸司氏
右:パナソニック セキュリティビジネスユニット 事業企画チーム 主事 朝比奈純氏

 さて、高画質になればなるほど、フォーカス合わせが厳しくなると言われているが、各社はどのように対応しているのか。

 センサ基板が自動的に動き、瞬時にジャストフォーカスを決定する「オートバックフォーカス機能」を搭載しているのがパナソニックとPELCO。「メガピクセルレンズ」で対応を図るのがソニーとDYNACOLORだが、ソニーは画面上のバーでフォーカスをアシストする「フォーカスアシスト機能」も搭載。また、MOBOTIXは同様に画面上のバーでアシストする「フォーカシングエイド機能」で対応している。「今後は固定型のバリフォーカルレンズタイプにPDAを使ってカメラサイドでフォーカス合わせができる機能の開発を予定している」と語るのはDYNACOLORの松尾氏だが、このPDAは独自の診断機能を有しており、カメラの不具合にも対応するという。

高画質電送のカギを握る画像高圧縮技術の動向

 高画質化は当然ながらデータ量の増大を生む。高画質を維持しながら高圧縮をいかに実現するかが重要となっている。「現在の市場では、やはりJPEG、MPEG-4が中心だ。しかし、これからメガピクセル高画質をフルレートで送るようになると、H.264のコーディックが必要とされてくる」とパナソニックの樋口氏は語った。

 また、ソニーの田口氏も「H.264はMPEG-4と比べると、同じ帯域消費であれば、より高画質な映像を送れるメリットがある反面、どうしてもデコード・パワーを必要とするため、表示のフレームレートが出せない欠点があった。しかし、記録側のCPU性能が上がってきたためH.264の良さが生きるようになってきた」とH.264の今後に期待する。

 一方、MxPEGを推すのはMOBOTIXJAPANの戸田氏だ。「高画質化にともない、ユーザーからはネットワークの帯域幅を心配する声が多くなっている。MPEG-4と比べると、H.264は圧縮の帯域幅を20%〜40%削減するが、MxPEGは約70%近く削減する。しかもライセンスフィーを必要としないので有利だ。とはいえ、ユーザーの要望は多種多様なのでMxPEGと併行してH.264にもしっかりと対応していく方針だ」と語る。

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