「a&s JAPAN」最新号より
高画質ネットワークカメラが開くクリアな識別の世界(1)

地上デジタルTVの普及にともない、誰もが日常、クリアな高精細な映像に触れる時代になった。にも関わらず、監視の世界では依然としてアナログの通常画質が事実上の標準であり、高画質ネットワークカメラの普及率は20%に満たないことが報告されている。本稿では、今まさに発展の途上にある高画質ネットワークカメラの最新事情を報告する。
大川鮎太郎
高画質に対する市場ニーズの高まり
現在、暮らしと社会のあらゆる分野で監視カメラが必要とされていることは周知の通りである。多発する凶悪事件などの報道によって、これまで以上に監視カメラの映像がTVを通じて茶の間に紹介されるようになった。こうした事件の事後検証の際、重要となるのが、人物の顔や服装(形や色)の「識別」をいかに高い精度で行うことができるかである。
また、事件報道の分野ばかりでなく、様々な分野でも「識別」は重要な意味をもってくる。金融機関やスーパーなどでは札券種の識別であり、高速道路のETCレーンや駐車場ではナンバープレートや車種の識別、また製造業では、小さな部品やラベルの識別と、その適用範囲はあらゆる業種にわたっている。
一方、一般企業でも、個人情報保護法や内部統制などの法律により、「いつ、誰が、何をしたのか」を明確に記録しておくことが求められている。問題があった時の事後検証として大きな力を発揮するのは、人物の特定はもちろん、何をしていたのかの部分つまり「手元などの細かい部分」を明確に識別し、事実を正確に把握することが重要だ。
従来のアナログの標準画質では、どうしてもこの「細かい部分の識別」が困難である。これは言うまでもなく、標準画質では映像を構成する画素数が少ないため、細かい部分を拡大すると画質が劣化して細かい部分ほど識別が困難になるためである。
このように、高画質に対する要求は現在、社会全体でかつてない高まりを見せていると言える。
高精細画像で監視の世界を変えるネットワークカメラ
このような社会背景の中、いま注目されているのがネットワークカメラだ。従来のCCTVシステムに代表されるアナログの標準画質は画素数に制約があったが、ネットワークカメラにはその制約がない。一般家庭にも普及しているTVのハイビジョン映像に迫るデジタルの高精細画像を監視の世界で実現することを可能にしている。
また、画質以外にも大きな利点がある。既存のインターネット回線や専用のブロードバンド回線の利用で、遠隔地からでも監視システムを閲覧することができ、フランチャイズ店など複数の店舗を一カ所で集中監視・コントロールできる点である。
さらに、設置施工時のケーブルの省線化やシステム増設の柔軟性などにも優れており、近年、新規の大型案件ではネットワークカメラを導入する事例が増えているという。
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