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エコポイント延長、家電量販店、恩恵に濃淡――販促など企業体力に差(市場分析)
4〜6月対象品販売 ケーズ2ケタ増/コジマ前年割れ
直嶋正行経済産業相が31日、来年3月末まで3カ月間延長する方針を明らかにした家電エコポイント制度。家電量販店の収益に貢献しているとされる同制度だが、その効果は企業によって濃淡が出ている。対象3製品の販売額をみると、ケーズホールディングスが4〜6月期に2ケタの伸びを示したのに対し、コジマは前年割れ。販促などにかけられる企業体力の差で優勝劣敗が鮮明になっている。
ケーズはエコポイント付与対象となる薄型テレビ、エアコン、冷蔵庫の10年3月期の販売額が2225億円。制度がなかった前の期に比べて28%増えた。10年3月期の増収分の6割を3製品が占める。今年の4〜6月期も、3製品の売上高は前年同期比で2割増と好調を持続している。
上新電機も4〜6月期、12%増と2ケタの増収を維持。業界首位、2位のヤマダ電機とエディオンは10年3月期はそれぞれ26%、17%伸びたが、効果が一巡した今年4〜6月期は5〜6%に減速した。
一方、コジマは10年3月期の3製品伸び率が5%。4〜6月期は前年実績を4%割り込んだ。ベスト電器も10年2月期の3製品売上高は5%程度の増加にとどまる。
ケーズ、上新は積極的な新規出店とこれに伴う広告宣伝の拡大がエコポイント需要の取り込みに奏功している。ケーズの6月末の直営店舗数は332店と1年前から約1割増えた。上新も178店と8店増やした。
家電量販店は新規出店に合わせてチラシやCMなどの大がかりな販促を実施する。ケーズ、上新はそれぞれ関東と近畿に集中出店しており、こうした広告の強化が新店以外の店にも波及しやすい。ケーズの広告宣伝費も4〜6月期は11%増。上新もチラシサイズの拡大のほか、同社で付与されたエコポイントと交換した商品券で買い物をすると、値引きするなどの販促策も実施している。
これに対してコジマは事業効率化を優先しており、不採算店閉鎖などで6月末の店舗数は218店と5店減。チラシも小型化や配布地域の見直しを進めており、4〜6月は広告宣伝費は5%程度削減したようだ。
ヤマダも都心部への大型店の出店が一巡。今期は1店当たりの広告宣伝費が絞り込まれる傾向にあり、伸び率の縮小につながった。
エコポイント開始後、対象3製品の売上構成比は各社で5ポイント程度高まり、おおむね30%台前半に達した。延長が実現すれば特需は続きそうだが、各社とも制度終了後の打撃に備えた営業強化策が必要になっている。
制度延長 メーカー・量販店歓迎 需要先食い 効果限定的の見方も
家電エコポイント制度が延長される方向になったことを、家電メーカー・家電量販店は歓迎している。延長が正式に決まれば、日立アプライアンスは来年1〜3月の需要増を見込んだ生産体制の準備に着手、量販店のケーズホールディングスは店内で延長を知らせる表示も検討する。ただ同制度は需要を先食いしている面もあるため、「中長期に見れば効果は限定的」(コジマ経営企画室)との声も出ている。
エコポイント制度は薄型テレビなど対象商品の需要を底上げしてきた。電機各社で構成する電子情報技術産業協会(JEITA)の担当者は「延長を要望していただけに歓迎」と話す。家電量販店のエディオンも「繁忙期の12月とエコポイントの駆け込み需要が重なると、接客や配送の面で十分に対応できない懸念があった。顧客対応しやすくなる」という。
一方で、効果について冷静な見方も少なくない。薄型テレビの好調は来年7月の地上デジタル放送への完全移行を前にした買い替え需要が支えている面も大きい。
「3カ月延長されても需要が平準化されるだけで、必ず反動減にみまわれる」(テレビメーカー大手)。量販店からも「12月に起こるはずだった駆け込みが来年3月にずれるだけ。アナログ放送が終わる7月まで続けてもらえば最も混乱がないのだが」(大手幹部)と要望する声が上がっている。











