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アパレル「百貨店以外」開拓――直営店などの売上比率、サンエー66%(戦略分析)

2010年08月19日 / 日本経済新聞 朝刊 このエントリーをはてなブックマークに追加

ルック4割超 販売回復急ぐ

 アパレル各社は直営店やインターネット・テレビ通販などを強化し、百貨店以外での売上比率を高める。2010年度にはサンエー・インターナショナルが66%、ルックは初めて4割超に高める計画だ。販売回復が最大の狙い。百貨店での販売は在庫管理が難しく、売上高に応じ百貨店側に「歩合」を支払うため、その売上比率を下げることで、資金効率と利益率を改善しようとの思惑もある。

 サンエーは10年度、百貨店以外での売上比率を前年度比4ポイント弱高め、東京スタイルは約51%と前年度並みの高水準を確保する計画。三陽商会は百貨店以外での売り上げを3割増やし、同比率を13%強と約3ポイント高める方針だ。中長期的には「3割程度への上昇も想定している」と杉浦昌彦社長は話す。

 同比率を高めるため、各社は路面店のほか、ファッションビルやショッピングセンター、アウトレット内の店舗、ネット・テレビ通販での売り上げを拡大する。三陽商会は10年度に、今春参入したアウトレットで30億円前後の売り上げを見込むほか、ネット通販での展開ブランドを増やす。ルックは10年度下期に路面店2店を新設する。

 中国の繊維大手、山東如意科技集団と資本業務提携したレナウンは百貨店以外での売上比率が25%。今後、調達資金を活用してショッピングセンターなどへの出店を増やす。
-FT  「非百貨店用」の新ブランドも相次ぎ立ち上げる。東京スタイルは今春からテレビ通販向けの新ブランドを展開し始めたのに続き、今秋には都市型ファッションビル内などの店舗用に新ブランドを投入する。

 オンワードホールディングスも11年度をめどに、ショッピングセンター内の店舗など新販路向けの基幹ブランドを立ち上げる。

在庫管理しやすく 利益率も改善

 アパレル各社にとって、百貨店販売は集客力が見込め、ブランド力を維持でき、高額品を売りやすいなどのメリットがあった。だが日本百貨店協会によれば、百貨店での衣料品販売は2010年6月まで36カ月連続の前年同月割れで、アパレル各社は新たな販路開拓を迫られている。

 百貨店依存の見直しは実は、利益率や資金効率アップへの期待もある。

 百貨店での衣料品販売は通常、売上高の35%程度が「歩合」として百貨店側の取り分になる。原価や人件費などを差し引くと、アパレルの営業利益率は5~10%とされる。これに対し路面店やファッションビル内の店舗は家賃や減価償却費などの店舗費用がかかる半面、百貨店側への支払いがない分、「15%程度の営業利益率が見込める」(野村証券の鎌田佳美アナリスト)という。ネット通販なら利益率はさらに高まる。

 在庫管理の自由度も増す。百貨店での販売は通常、売れ残り商品をアパレル各社が引き取る契約形態だ。異なる百貨店の間では在庫融通もしにくく、個人消費が低迷するなか、アパレル側の負う在庫リスクが大きい。

 実際、アパレル各社の在庫回転率は、店頭の販売動向を見ながら機動的に商品を投入する専門店に比べかなり低い。ポイントの10年3~5月期の在庫回転率は22回だが、ルックは4~6月期に5・9回、三陽商会は4・2回だった。

 在庫が素早く現金化できれば資金効率が高まる。三陽商会が利益率の低いアウトレット店に取り組むのは、このためでもある。同社は10年度の在庫回転率を前年度比0・35回高める計画だが、百貨店依存度の低下も改善の一因となる見通しだ。

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