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ZOZO流ライブ通販――発送まで一手、自前の物流、店舗と同じスピード感。

2010年06月02日 / 日経MJ(流通新聞) このエントリーをはてなブックマークに追加

 「スタートトゥデイは単なるネット通販企業ではない。最大の強みは自前で築き上げた物流などのシステムにある」。ゾゾに出店する、あるアパレル関連企業の幹部はこう話す。

 ゾゾの扱う商品が集結するのは、千葉県習志野市の「ZOZOBASE(ゾゾベース)」。06年に取扱品目のスムーズな拡大と情報システム整備を目的に、それまでの本社から分離して開設した物流拠点だ。原宿のショップ店員と見まごう服装のスタッフが目につくこの施設は、商品の受け入れからサイト用写真の撮影、梱包・発送までをワンストップでこなせる。

 「急に明日、商品をサイトに掲載してくれといわれても、対応は可能。リアルの店舗と同じスピード感がなければネット販売が後回しにされてしまいますから」と物流担当の小森亜希子取締役は語る。入荷した商品をゾゾベース内のスタジオで撮影するので手早くウェブページが作成でき、一両日中の販売に備えられる。今では毎日1000〜2000程度の新商品をマネキンやモデルに着せて撮影している。

 カメラマンの大半は自社で養成した社員だ。自らゾゾで買い物をしている社員カメラマンだからこそ、格好よさを強調するだけでなく、襟の形や素材感など、客が知りたい細かな部分も撮影して紹介できる。

 最近、増やしているのが専属モデルだ。なかにはファッション誌に登場する人もいるが、ゾゾの女性モデルの起用にはある目安がある。身長170センチ未満であることだ。「いくら格好いい服でも、客が着たイメージを抱けなければ意味がない」(小森取締役)

 取扱高の増加に伴い、ゾゾベースも拡大し続けている。2006年8月には約5000平方メートルだったが、現在は1万9000平方メートルと4倍の規模に。今期中にさらに拡張する計画という。ネット通販支援事業の顧客である、他のアパレル企業の商品も在庫として抱えているからだ。

 在庫管理などに駆使する自前の情報システムも改良を続けている。5月には、テナント企業の実店舗の一部在庫をゾゾ側で照会・管理できるようにして、サイト販売への臨機応変な転用を可能にした。好調なネット通販での品切れによる販売機会ロスを抑える狙いで、まずユナイテッドアローズが採用した。

 ゾゾベースは全面的に自動化しているわけではない。管理にバーコードなどは利用しているが、商品のピックアップや梱包などは主に手作業に頼っている。テナント企業からの急な商品発売・サイト構築の依頼に対しては、人手による管理のほうが迅速に対応できる側面もあるからだ。

 倉庫拡張やシステム改良を手掛ける今期も、スタートトゥデイの設備投資は6億円にすぎない。「自前でなければけた違いのコストがかかってしまう」(財務担当の柳沢孝旨取締役)。システムの原型を作ったのは、かつてミュージシャン志望だった前沢友作社長。サイトのライブ感、商品売り出しのスピード感には、そんな音楽的センスが生きているのかもしれない。(永井伸雄)

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