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国内市場で成長どこまで?――ニトリ社長似鳥昭雄氏(そこが知りたい)

2010年05月23日 / 日本経済新聞 朝刊 このエントリーをはてなブックマークに追加

小型店で都市部を攻める

 アジア各地で生産した割安感のある製品で消費者の低価格志向に訴え、家具、インテリア市場を席巻するニトリ。2010年度には鳥取県、来年度は島根県に進出し、47都道府県への出店が完了する計画だ。出店余地が狭まり、少子化で市場も縮小する中、成長戦略をどう描いているのか。似鳥昭雄社長に聞いた。

 −−成長のために海外に軸足を移す考えは。

 「国内を重視する姿勢は変わらない。昨年度の既存店の売上高は前の期に比べて7・4%増で、創業以来最も伸びた。世間は100年に一度の不況といわれたが、当社には100年に一度のチャンスだった。まだ店舗の空白地帯も多く、今と同じ年30〜40店舗のペースで出店をしばらくは続けられる」

 「アジアでは中間所得層が育っているが、家具に関心が向くのはまだ先。唯一出店している台湾もまだ実験レベル。やるなら米国に進出したいという思いはある」

 −−国内市場にとどまる限り、成長の限界に早晩、直面するのでは。

 「日本国内で攻めるべき市場はある。都市部での小型店の出店はその1つ。ニトリの名前を付けずに、商品も替えて取り組みたい。主に(寝装品などの)ホームファッションが中心になる。16年度には小型店を100店舗にしたい」

 −−3月に既存店売上高が前年同月比5・4%減だった。消費者の節約疲れが出てきているのでは。

 「それはない。3月は休日が昨年より1日少なかっただけ。4月の既存店売上高は6・7%と増えた」

 −−値下げも相次ぐと、消費者に与えるサプライズが薄れはしないか。

 「値下げは続ける。今年2月にも1度値下げをしているが、次は対象品目を増やして実施する。これまでは1回当たり400品目を対象にしてきたが、今度は500品目に増やす。値下げ率は15〜40%。主に寝装品やカーテンなどのホームファッションが主体になる。できれば(今年も)あと2回実施したい」

 −−値下げの原資にするためのコスト削減は。

 「細かく手を打っている。中国・上海の物流センターが本格稼働し、一部商品で店舗に直送する取り組みを始めた。従来の日本の複数の物流センターを経由する方法では物流コストがかかるし、商品に傷が付きやすいという課題があった」

 「我々のような会社が急成長するのは不況の時。出店先が確保しやすいし、優秀な人材も採用できる。投資額も好景気の時よりも5割から2倍も多くしている。不況こそチャンスだ」

 1966年、北海学園大経済学部卒業。67年、似鳥家具店を創業。72年に会社設立。66歳。

聞き手から一言

グローバル競争 「規模」追求迫る

 ニトリの2010年2月期の連結決算は23期連続で増収増益を達成。コスト削減で得た原資で展開した値下げ戦略が奏功した。ただ、競合他社も価格競争では引かない構えで、今期は一段と競争が激しさを増す。

 世界最大の家具チェーン、イケアは日本で昨夏に本格的な値下げをした。グローバル調達網を生かして今夏も追加値下げする方針だ。ニトリも一段の飛躍を目指すためには、規模の追求が欠かせない。国内を深掘りしつつも、本格的な海外展開に踏み切る時が近いかもしれない。(栗本優)

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