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高島屋、アジア投資にカジ、現地百貨店と提携視野、鈴木社長に聞く。
ベトナム出店時機見極め
百貨店各社の2009年度決算は軒並み大幅な減収となった。高島屋は10年度、徹底したコスト削減で国内の不振店をテコ入れするとともに、将来の成長のためアジアに投資をシフトする。具体的な方策を鈴木弘治社長に聞いた。
――10年度の商況の見通しは。
「基調では10年度の百貨店事業の売上高は09年度より6・6%減ると見ている。大阪店の増床などプラス要因があるが、景気の本格回復までは1年ぐらいかかるとみて、慎重に計画を立てた」
――新宿店(東京・渋谷)は今年2月に正社員を約6割減らした。経費削減は他店に広げるか。
「(家賃が高い)新宿店のような高コスト店は、営業力を維持しながら経費を減らさざるを得ない。店を黒字転換するためのやむを得ない措置だ。横浜店(横浜市)のように十分利益が出る店で同じことをする必要はない。不採算の店では、今までにないチャレンジングな発想を取り入れる」
「立川店(東京都立川市)は10年度中にテナントを組み込むが、これも赤字店を黒字転換するための対策で、他店でどんどん取り入れることには考えにくい。他店を含め、不採算であったとしても店は極力閉めない」
――10〜14年度の5カ年計画でアジアへの投資を明確に打ち出した。
「12年に出店する中国・上海は、現地の中間層から富裕層までを対象に品ぞろえする。ベトナム進出も検討しているが、百貨店が出るには国民生活の水準が十分に高くない。百貨店が成立するのは経済が少し成熟期に向かう時期だ。タイミングを見極めたい」
「海外出店で参考になるのが韓国大手のロッテ百貨店。ベトナムではまずGMS(総合スーパー)業態を出した。状況を見ながら百貨店の出店に向けて準備するそうだ」
――海外戦略で、現地の百貨店と提携する考えは。
「今のところないが、将来は場合によってはあってもよい。海外ではすべて一からやらなくてもよい。韓国の百貨店はインドネシアでM&A(合併・買収)をするなど意欲的だ。人口が4500万人と日本の半分以下の韓国は将来に対する危機感がある。チャレンジングな国民性が経営にも表れている」
――エイチ・ツー・オーリテイリングとの経営統合が3月に破談した。今後他社と提携するとしたら条件は。
「規模が大きいことは小さいよりも良いが、提携するならばもっと経営のポテンシャルが高まることが必要だ。他の業態が成長するなかで、業界内で順位を争っても仕方ない。質をどう高めるかが重要だ」
――百貨店業界全体の勢力図は今後どう変わるか。
「市場が縮むので、供給過多という状況の調整はある程度続くと思う。かといってどんどん再編が進むわけでもないだろう。電鉄系の百貨店は鉄道グループの中核事業として残る。地方店は過疎化する地域は厳しいが、中核都市の店は十分にやっていける」
記者の目
品ぞろえ・販促 明確な変化を
高島屋が10年度に注力する施策の1つに地方店改革がある。その試金石が子会社の岡山高島屋(岡山市)だ。4月に地場の両備ホールディングスから33・4%の出資を受け入れた。両備の交通網やグループ従業員の購買力を生かす狙いだ。
だが4月の売上高は初旬こそ前年比2ケタ伸びたものの、月全体では同1・4%減に終わった。常連客の70歳代の主婦は「何が変わったか気付かなかった」と話す。
鈴木社長は「地域密着の営業戦略を追求する」と話す。提携を最大限に生かすには、品ぞろえや販促の手法で消費者に分かりやすい変化を見せる必要がありそうだ。
(岩本健太郎)











