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生活雑貨市場、郊外に宝の山――セブン&アイ、イオン、30代主婦の需要狙う。
消費不況下で苦闘する流通2強がキッチン用品、文具など生活雑貨の強化に乗り出した。イオンは将来の分社化も視野に、4月下旬に直営専門店「R・O・U」の出店を開始。セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂も「セブンホームセンター」で扱い品目を拡充する計画だ。ロフトなど都心型専門店のノウハウも積極的に導入。GMS(総合スーパー)の事業モデルにこだわらず、郊外地域で手薄だった有望市場の掘り起こしにまい進する。
「開店まで3カ月間、スタッフにはロフトや東急ハンズに通い詰めてまねさせたよ」。イオン顧問の安森健氏は笑う。安森氏といえば、今ではセブン&アイ傘下にあるロフトの社長を2008年まで12年間務め、大手に育て上げた立役者。イオンはR・O・U開業の切り盛りを同氏に託した。
千葉・津田沼などにあるイオンのショッピングセンター(SC)に開業したR・O・Uの売り場は、割安なプライベートブランド(PB=自主企画)商品が主軸のGMSとは趣が異なる。家庭用品ではキャラクターものやカラフルな弁当箱、文具には750種類のシールといった具合に、2000平方メートルの店内にロフトや東急ハンズの売れ筋と同じ商品が並ぶ。陳列棚の間にはかわいい文字で商品説明を書いた小型黒板を据え、イチ押し商品を飾り付ける。
値引きも安さの訴求もしない。珍しいもの、デザイン性や利便性の高いものといった「生活に彩りを与える商品」(安森氏)を、陳列の魅力で消費者にアピールする。
一方、ヨーカ堂は3月に開業したセブンホームセンターの2号店「武蔵境店」(武蔵野市)で、DIY商品を1号店の3分の1に縮小。代わってデザイン性の高い文具や台所用品など「ロフトやハンズで売っているような」商品を中心に据えた。11年2月期はヨーカ堂の中に、2号店の売り場にならった店を8〜10店出す計画だ。
2強がモデルとするロフトや東急ハンズは若者の店と思われがちだが、実は中心顧客は10〜20代の時に買い物をした経験のある30代女性だ。いずれも、これら30代主婦が多く住み、イオンやヨーカ堂が店舗展開する郊外住宅地には店がない。
「郊外の主婦も本当はロフトで売っている商品がほしい。ただ近くにGMSしかないからそこに行っているだけ」(安森氏)。「競争の多い衣料品業界と比べ、雑貨はずっと攻めやすいマーケット」(セブン&アイ・ホールディングス首脳)。流通大手は異口同音に、郊外における潜在ニーズの大きさを指摘する。
"郊外版ロフト"の展開へかじを切った2社。ロフトの遠藤良治社長は「新規参入で市場が活性化するのは大歓迎」と余裕を見せる。ただ社内には「R・O・Uが都内に10店もできれば脅威」との声も。安森氏も「将来はイオンのSC以外にも出したい」と意欲的。郊外でノウハウを蓄積したR・O・Uが都心部に攻め込めば、雑貨市場の競合は新局面を迎える。











