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イオン、PB改革着手、年商10億円の商品育成、価格の3層構造を強化。
イオンがプライベートブランド(PB=自主企画)の改革に着手した。柱は2つ。集客の核になる「メガヒット商品」の育成とブランド力向上へ価格の3層構造の整備だ。2009年度のPB売上高は08年度比2割増の4500億円となったが目標に2割届かず、10年度に7500億円としていた目標到達も約1年遅れる見込み。PB販売再加速へ戦略を練り直す。
「原点に立ち戻る」。3日に千葉市の本社で開いた春夏の「トップバリュ商品説明会」。グループ商品責任者の久木邦彦イオン執行役は原点回帰を再三強調した。
イオンは昨年3月、「イオンの反省」と銘打ちPB1700品目を含む5100品目の値下げと、格安版PB「ベストプライスbyトップバリュ」の500品目投入を発表した。それまでの価格対応の遅れへの自戒からだ。その後も上期中にPB500品目、メーカー品600品目を追加値下げ。グループでPB売上高は2割伸びた。
しかし上期のイオンリテールの既存店売上高は前年同期比6%減。客単価が7%落ち込み、利益も苦戦した。下期はコスト削減やセール効果などで業績は持ち直したが、店頭の勢いは力強さを欠く。PBの伸びが収益の伸びに直結しない課題を解消する必用がある。
まず手を付けるのは現在約50品目ある年商10億円以上のメガヒット商品の育成だ。多くの商品で「『この価格まで下げると飛躍的に売上高が伸びる』とわかっており、その価格を実現するためにコスト構造、調達構造を変えて実現する」(久木執行役)という。現在約5000品目ある商品数を1割絞り込む一方、特定商品は単品ベースで販売量を大幅に増やして調達コストを引き下げ、価格、品質ともに魅力的な商品にする戦略だ。
カギはグループの連携。現在はどのPBを置くか各店が決めるため、単品ごとの販売状況はばらつきがある。10年度から特定の商品についてグループのスーパー全2000店弱が共通の販促で足並みをそろえて扱い、販売量を増やす。12年度末までに年商10億円以上の商品を6倍の300品目にする方針だ。
もう一つは3段階の価格をそろえ需要獲得の間口を広げることだ。従来、高付加価値の「トップバリュセレクト」、中間の「トップバリュ」、格安の「ベストプライスbyトップバリュ」がある。しかし商品は中間に偏り、3段階ともあるのは「数品目しかない」(久木執行役)。ベストプライスは1〜2割増やし、約100品目にとどまるセレクトも拡大する。
第1弾として24日、トップバリュセレクトのレトルトカレー「タスマニアビーフカレー」を発売する。牛肉を多めに使うが価格は278円。グループで総菜や弁当に使う豪州産牛肉と共通化しコストを抑える。同商品の発売でレトルトカレーは3層の商品がそろう。
PBの3層構造は「(英テスコなど)欧米の小売業では一般的」(久木執行役)。年商10億円以上の商品は主力のトップバリュから育て、上下の価格も用意し全体のブランド力を底上げする。
イオンはPBの国内最大手。今回注力する2つの施策はともにシンプルだが、改めて商品開発力が問われる。PBを消費不況下の一過性のブームに終わらせず、日本の消費市場に根付かせるにはこれからが正念場だ。
(藤野逸郎)











