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高島屋、あす4割増床オープン、大阪の陣に「ザ・百貨店」、富裕層も会社員も的。
原点回帰へ総力結集
高島屋は2日、大阪店(大阪市)を4割増床し開業する。大阪市内で大手百貨店が2011年前後に増床や新規出店を競う「大阪の陣」の幕開けを意味する。百貨店の集客力低下が著しい中、各社は新たな集客策に知恵を絞る。大阪増床合戦の行方は百貨店復活を賭けた戦いでもある。(関連記事9面に)
百貨店の販売不振が続く中での大阪増床合戦。店作りにも各社の生き残り戦略がにじむ。J・フロントリテイリングが傘下の大丸松坂屋百貨店で進める低コスト運営は、いわば「脱・百貨店」。一方の高島屋は、あくまで百貨店本来の特徴である総合性を生かす「ザ・百貨店」志向だ。
その一つの表れが、大阪店の増床部5階に新設する婦人服売り場「gokai(ゴカイ)」。百貨店になじみの薄い20代女性を呼び込む取り組みで、ファッションビルで人気の「シェルター」など33ブランドを導入。1万円未満の手ごろな衣料や雑貨をそろえ飲食まで取り入れた。一見、大丸心斎橋店北館に似ているようで、中身は異なる。
百貨店は商品売上高に「益率」と呼ぶ一定割合をかけて利ザヤとする。大丸が取引先任せの売り場運営で人件費を抑え、益率を約2割に下げて新興アパレルを誘致したのに対し、高島屋は一部で益率を下げながらも導入ブランドの約半数では従来の3割前後とし平均を高めに保ったもよう。価格帯も1万円未満から4万円ほどまで幅広く、低価格一辺倒を避ける。
ゴカイの面積の半分は、ブランドの垣根なく商品を並べる百貨店特有の「平場」とした。取引先が運営するコーナーなどに比べると、百貨店の人手はかかる。だが顧客が好きな商品を選びやすいうえに、商品の柔軟な入れ替えや陳列の工夫で常に新鮮な売り場を演出できる自主運営の利点に重きを置いた。
若者向けの売り場に限らず増床全般を見渡しても、あらゆる客層へ目配りした百貨店的なバランス感覚が際立つ。富裕層の固定客が多い2階の特選衣料雑貨フロアには、従来店内各所に散らばっていた海外ブランドを集めて買い回り性を向上。さらに約240平方メートルの平場を設け、独自に買い付けた衣料・雑貨を社員自ら売りプラスアルファの需要を開拓する。
7〜9階、広さ7400平方メートルのレストラン街。庶民的なお好み焼き店や居酒屋からワインサロンや肉料理、有名料亭まで、価格帯も幅広い35の飲食店を誘致したのは、デベロッパー子会社の東神開発だ。駅上立地で午後11時まで営業、買い物客のほか帰宅途中の会社員も囲い込む。
「はやりものに頼っても1〜2年で廃れかねず、結局コスト競争、体力勝負になる」(大阪店の高山俊三・新本館計画室長)との考えが根底にある。グループの総力を集め、全方位を対象に、フルラインの品ぞろえで百貨店の王道を歩むほうが、トータルで収益性を維持し生き残れると読む。
ファッションのイメージが強い伊勢丹や阪急百貨店、若者に低価格で訴求する大丸などの他店に比べ、高島屋については老舗イメージの一方で「品ぞろえに魅力がない」などの評価が増床前の顧客調査で挙がったという。特定分野に強みがないのを逆手にとれば、全体的に底上げし総合力で戦おうとするのは自然だ。
だが高コスト運営については見直す。売り場面積が2万2000平方メートル増え従来の1・4倍となるのに、大阪店の正社員数は増床前の約840人のままで増員なし。むしろ1年前に比べ定年退職や異動で約200人減った。後方事務の集約や、売り場で1人あたりの管理範囲を広げるなどで実現した。
今回の増床は、約1年後に完了する全館改装のスタート。総投資額450億円、完成後初年度の増収予定額320億円(09年度比)は、5カ年の経営計画(09〜13年度)で最大のプロジェクトだ。ただ、07年の新宿店(東京・渋谷)改装では130億円を投じながら売上高が伸びなかった苦い経験もある。大阪店の成否がもたらす影響は極めて大きい。











