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戦略を聞く(78)ファミリーマート執行役員市川透氏(価格に挑む)
値引き合戦参加せず 価値とのバランス武器に
ファミリーマートで今年6月、24カ月間続いていた既存店売上高の前年同月比プラスの記録が途絶えた。たばこ自動販売機用成人カード「タスポ」導入の約1年前から前年実績を上回り続けてきたが、消費不況の影響をコンビニエンスストアも受け始めたことを意味する。低価格志向を強める消費者にどう向き合っていくのか。商品企画・業務部長の市川透執行役員に聞いた。
――消費者の低価格志向が強まっている。
「消費者の生活防衛意識や節約志向の高まり、不要不急の商品の購入を抑えようとする動きは確かに高まってきている。スーパーなどを中心にプライベートブランド(PB=自主企画)商品の拡充や値引き合戦が活発になっているが、当社は安易な安売り合戦には参加しないつもりだ。品ぞろえの拡充や売り場の活性化、店舗運営の効率化などを前面に出して対応する」
――具体策は。
「世代や地域、価格を切り口に、客層にあった商品を的確に提供することを心がけている。例えば弁当類では客の年代層に分けて開発のプロジェクトチームを立ち上げている。例えば団塊の世代に絞った弁当では内容量400グラムのうち、ごはんの量は約160グラム。熱量は500キロカロリーに抑える。10〜20代男性向けには内容量500グラムのうち、ごはんが6割で、750キロカロリーを目安にしている」
「最も重要なのが『ユニットプライス』という考え方だ。弁当1グラムあたりいくらに設定するか。過去の傾向から団塊世代向けはユニットプライスは1・3円前後、10〜20代男性向けは0・9円前後が適正と見ている。単なる安売りでなく、価値を数値化し、価格と価値をバランスさせることが必要だ」
――低価格品の品ぞろえは。
「利益を確保しながら、低価格品の品ぞろえも充実させる。現在はコロッケを50円で販売しているが、3個セットで100円で販売したり、100円前後の総菜を増やすことも検討している。100円台前半のデザートも拡充する。他の商品と買い合わせる傾向が強いものを中心に低価格品の品ぞろえを強化する」
「一方、セブン―イレブン・ジャパンが値下げしたシャンプーなどの日用品に関しては、当社はあくまでもコンビニの実勢価格にあわせる。実際、セブンイレブンが値下げした後も売り上げは変化していない。日用品や化粧品などは他社では扱っていないものを取り扱うことで来店を促す」
記者の目
商品力がカギ
消費不況が深刻になる中、スーパーやコンビニは割安なPB商品の導入を急いでいるが、ファミリーマートは大幅なPB拡充には慎重な姿勢を示す。
客単価が2000円を超えるスーパーに対して、コンビニは500〜600円。割安な商品ばかりを購入されると、利益確保がおぼつかなくなるからだ。
ただ、ファミマの客単価は7月まで6カ月連続で前年同月を下回るなど、低価格の波は確実に押し寄せている。安売り合戦に巻き込まれないためには、いかに他のチェーンと差異化できる商品を消費者に提示できるかが重要になる。
パスタやデザート、店内調理品のようなヒット商品を今後も生み出し続けていけるかはポイントの1つだろう。
コンビニ市場が飽和する中で、客にどう来店する動機付けをしていくのかが、生き残りのカギを握る。
(豊田健一郎)











