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小売り、低コスト農業、TPPに備え――セブン&アイ、ローソンなど。
セブン&アイ 北海道に20ヘクタール
ローソンなどクラウドで管理
大手小売りが自ら手掛ける農業の生産性向上に乗り出す。セブン&アイ・ホールディングスは約20ヘクタールの農場を北海道に開設。野菜を大量に出荷できるようにする。ローソンやイオンは全国に散らばる農場での生育状況をインターネット経由で一括管理する。政府は環太平洋経済連携協定(TPP)への参加をにらみ、農業の大規模化を柱とした競争力強化を進める方針。各社の取り組みは日本の農業を成長させ、改革を促す可能性もある。(農業の大規模化は3面「きょうのことば」参照)
セブン&アイは1月下旬、北海道中央部の東川町に子会社「セブンファーム北海道(仮称)」を設立する。同社が85%、地元農家などが15%をそれぞれ出資。小売りや外食企業が運営する農場としては最大規模となる。
ブロッコリーやカボチャなど年間約1000トンの生産を見込む。北海道内のイトーヨーカ堂のほか関東の店舗でも販売する。従来の農場は収穫量が少なく週1〜2回しか販売できなかったが、新農場からは夏場はほぼ毎日販売できるという。価格は市場経由に比べ1割ほど安くなる見込み。今夏をめどにインターネット通販でも取り扱う。
ローソンは出資する農場「ローソンファーム」で、ネット経由でシステムを利用するクラウドコンピューティングを使って農作業の即時管理を始める。農作業に当たる人がタブレット端末を持ち歩き、農薬の使用量や収穫計画を入力する。
システムはNECが開発。農薬などを多く使うと警告し、安全な野菜作りにつなげる。千葉県の農場で試験導入し、2月末をめどに全農場に広げる。収穫した野菜は約3400店のコンビニエンスストアで販売する。
イオンも昨年12月、子会社が運営する全国の農場で富士通のクラウドシステムを導入した。農場に取り付けたセンサーで気温、降水量や土の状態を把握。将来は需給も予測できるようにする。
大手小売りが農業に力を入れるのは主力商品の野菜を安定して調達するためだ。東日本大震災後には食の安心・安全に対する消費者の要求も一段と強まっている。各社は生産段階から品質を確保し、安全な野菜を供給できるようにする。
政府は生産・加工・販売を一貫して手掛ければ農業の生産性は上がるとみている。実際、セブン&アイでは市場経由より1割ほど安く販売しても農場経営は黒字化しているという。各社は全国各地の農場をつないで運営する「チェーンストア流」の農業を推進し、収益力を上げていく。
日本がTPPに参加すると割安な農作物が大量に輸入され、日本の農業が大打撃を受けるとの意見もある。ただ農家の高齢化が進む農業の再生は待ったなしの改革。全国規模で農場を展開する小売り大手の取り組みは既存の農業を変えていく起爆剤にもなりそうだ。
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