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顧客育成/CRM視点の店舗マネジメント【齋藤 孝太】

最終回 「店舗マネジメントの新しい未来像」

2009年12月10日 このエントリーをはてなブックマークに追加

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今回のテーマ 「店舗マネジメントの新しい未来像」

最終回は、市場縮小時代を突破する顧客育成/CRMを推進する店舗マネジメントの「新しい未来像」として、「仕組み化」についてご紹介します。皆さんの企業では顧客育成/CRMが企業全体として仕組み化されているでしょうか。

顧客育成/CRMを企業に根付かせるために、「仕組みづくり」が重要

高度経済成長を経てバブル時代が終わってから、15年以上の歳月が経ちました。
多くの店舗ビジネス企業では、「マスマーケティングからの脱皮」が叫ばれて続けていますが、そんな中、低価格戦略をとらない(=付加価値を提供する)企業・店舗では、「顧客育成/CRMが極めて重要になる」との認識を持っており、この連載で数多くその対策(主にマネジメント面)について、ご提示させていただきました。
今回はその集大成として、個別の対策ではなく、「顧客育成/CRMが企業全体に根付き、お客様との関係づくりを5年、10年と保ち続けるには、どうすればいいのか?」という中長期の時間軸で、今までの対策を含め、「顧客育成/CRMを、企業・店舗全体に根付かせる、仕組みを創る」について、お話します。

仕組みづくりに欠かせない3つの条件

「顧客育成/CRM」の仕組み」をつくるためには、以下、3つの条件が必要になります。

★第1条件 「関わる全てを網羅した、仕組みづくり」
「顧客育成/CRM」それ自体のアクション(丁寧な接客、魅力的なイベント等)はもちろん、顧客育成/CRMを実施し続けるために必要な、サービス内容が浮かんでくる発想法、成功事例の共有化、モチベーションアップ等の補完的な部分も全て含めます。
なぜ、網羅しなければならないかいうと、ある部分がうまく機能していても、その他で抜けて落ちている部分があると、そこから綻びが生じる。その綻びの影響で、全体のレベルが下がってしまうからです。

★第2条件 「全体と部分の関係を明確にした、仕組みづくり」
条件1で挙げた「関わる全ての部分」を、仕組み全体の中のどの部分にあたるのか、その位置づけ・関係を明確にすることが大切になります。
なぜ、関係性が重要かというと、全体と部分が明確になっていないと、1つ1つの部分の精度を高めることに一生懸命になり、全体の改善を省みないという現象が起こるからです。
本書のテーマとずれますが、その現象は数多くの場面で、見受けられます。日本の省庁は、日本全体の国益よりも自分の省庁の利益を優先して考え、大企業の各部署は、企業全体の利益よりも、自分の部署の利益を優先して考えることがあります。全体をとらえた上で各部分の改善を試みることが重要です。それが各部分の力を最大限に集約した全体の仕組みになります。

★第3条件 「ノウハウが循環する、仕組みづくり」
一時的ではなく、中長期に渡って顧客育成・CRMの精度をアップし続けるためには、時代の変化への対応・魅力的なプラン・コンテンツ等のノウハウが循環する構造を仕組みの中に、組み込む必要があります。
プラン・ノウハウが循環する構造を持たせることで、一時的なものではなくて、中長期に渡って顧客育成・CRMの精度をアップし続けることができます。

「顧客育成/CRMの全体像」を示し、仕組み化を推進する

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3つの条件を満たした、「顧客育成/CRMの仕組み」、それが図解で示した「顧客育成/CRMの全体像」です(図解①)。
第1象限のリサーチ、第3象限の顧客心理を複眼志向でみながら(=競合企業と顧客の気持ちを両方考えながら)、第2象限である基本戦略を考えます。
基本戦略を踏まえつつ、第4象限のアイデア創造、第6象の情報共有を複眼的にみながら(=発想法と社内の成功・失敗事例等を両方考えながら)、第5象限の実践マーケティングを考えます。実践マーケティングを第7象限のツール(データベース・DM・ホームページ・メールマガジン・コンタクトセンター等)を活用しながら、第8象限の現場実践を行います。最後に、実践した成果を、第9象限で分析します。

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さらに、循環構造として、5つの循環構造を持ちます(図解②)。

★循環構造1「競合差別化創造サイクル」
競合他社もいろんなサービスを実践してくる。その競合状況を踏まえながら、新しい差別化を生み出すために、常に新しい実践マーケティングを考えていくサイクル。

★循環構造2「顧客価値創造サイクル」
時代と共に顧客の購買行動・心理・取り巻く状況も変わってくる。その状況に合わるために、常に新しい顧客行動を発見し、それを把握し、新しい顧客戦略に反映していくサイクル。

★循環構造3「マーケティングストーリー設計サイクル」
常に新しい、魅力的なマーケティングストーリーを設計し続けるために、アイデア創造・情報共有を鑑みながら、考えていくサイクル。

★循環構造4「PDCA基本サイクル」
マーケティングストーリーを考え、現場で実践すると、結果が出る。その結果を次回のマーケティングストーリーに反映するサイクル。(短縮サイクル)
現場で実践している途中段階で成果の予測が付くことがある。目標達成が難しいと判断した場合は、実践の途中でリカバリーを実施するサイクル。

★循環構造5「学習サイクル」
アクション成果としての成功事例、失敗事例をアクションレベルで詳細に分析し、コンテンツ化していくサイクル。

「顧客育成/CRMの全体像」と「販売現場」の関係

マネジメントとは、究極的に現場支援がメインテーマなので、「販売現場」と「顧客育成/CRMの全体像」の関係について、あらためてお話をしたいと思います。
経営者層、中堅・大手企業の本部内では、いつも現場の重要性について語られています。しかし、その問題意識は、言葉だけが1人歩きし、空回りし続けています。その原因は、販売現場を意識して考えていないからです。
実は、今回ご紹介した、「顧客育成/CRMの全体像」の第1象限から第9象限までの各項目は、常に販売現場を意識して考える試みでもあります。

〔販売現場の視点からみた、各象限の内容〕
■第1象限→販売現場レベルのリサーチも適切に実施する。
■第2象限→販売現場の未来像も考える。
■第3象限→顧客心理を販売現場レベルで考える。
■第4象限→販売現場においても実施できる発想法がある。
■第5象限→販売現場のマーケティングを設計する。
■第6象限→販売現場の成功事例を蓄積・整理整頓し、現場で使える状況をつくる。
■第7象限→販売現場の視点で、あらためてツールを充実させる。
■第8象限→販売現場を様々な方向から支援する。
■第9象限→販売現場の結果を分析し、対策アクションを講じる。

今年1月から12月まで全12回に渡って連載してきた、「顧客育成/CRM視点の店舗マネジメント」ですが、今回で最終回になりました。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

連載内容、それ以外のことでも、顧客育成/CRMのことであれば、弊社ホームページより、お問い合わせ(メールでの質問・無料相談会の申込等)いただければ幸いです。

顧客育成/CRMが、この不況下の中でも、皆様のビジネスを前進させる起爆剤になれば、この上ない喜びです。

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齋藤 孝太 プロフィール

顧客育成/CRM視点の店舗マネジメント

株式会社 SIS(ストラテジックインテリジェントシステム) 代表取締役 カスタマーリレーショナルマーケター
企画・マーケティング会社にて、大手化粧品メーカー(資生堂)・大手石油会社(現新日本石油)等のマーケティング計画策定・現場マニュアル作成をサポート。その後、株式会社企画塾にて、中小零細企業の販売現場の売上アップを図るマーケティングに携わる。現在は、店舗ビジネス(小売業・サービス業・SC等)において顧客との関係を深め、継続的な売上拡大を目指す企業を対象に、「顧客育成/CRMの教育・研修・セミナー」を通じた人材育成を行っている。
著書に、「なぜ、CRMは店舗の売上アップに繋がらないのか?」(日刊工業新聞社)「衝動買いさせる21の法則」(クロスメディア・パブリッシング)、「増販増客実例集2005」(企画塾出版)がある。

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