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紺碧の大阪湾近景遠景(2)LEDの灯、港へ導く。

2010年08月20日 / 日本経済新聞 大阪夕刊 このエントリーをはてなブックマークに追加

 白い水しぶきをあげて進むフェリーが明石海峡を抜け、大阪湾に入る。半日に及ぶ船旅が終着に近づいた午前5時ごろ、数キロ先で点滅する赤や緑の光を確認して村上拓二船長(49)は気を引き締める。「最後まで安全航行に努めよう」

 年約50〜70隻が衝突事故を起こしている大阪湾。北九州市・新門司港と大阪・南港を結ぶ名門大洋フェリー(大阪市)の村上船長が、安全の要として信頼する灯台の明かりがここ数年、鮮やかさを増している。白熱球から発光ダイオード(LED)への光源の切り替えが進んでいるからだ。

 消費電力が少なく、長寿命のLEDは「エコ」の流れに乗って普及が進む。大阪湾では203基のうち165基で改装された。

 1906年に設置された大阪北港南防波堤灯台(此花区、高さ約17メートル)は明治、大正、昭和そして平成へと移り変わる大阪の海を見守ってきた。2002年に緑色のLED電球612個に交換し、次の1世紀を刻む。

 二酸化炭素(CO2)の削減にはどの程度の効果が出ているのか――。

 第5管区海上保安本部(神戸市)によると、LEDは白熱球に比べ消費電力が約20分の1。灯台は太陽光発電で充電した電力を使って点灯する。

 大阪湾の灯台だけで年間で杉の木約2800本の吸収量に相当するCO2約40トンの排出を減らす計算だ。

 灯台の歴史を調べる「燈光会」(東京)によると、西洋式灯台が登場したのは下田港などの開港が決まった日米和親条約締結から15年後の1869年。白熱球は1901年から海の道しるべとして使われてきた。

 船乗りとして26年、瀬戸内海を渡る航路一筋の村上船長は懐かしさも口にする。「LEDはシャープで見やすい。ぼわっと柔らかな白熱球にも独特の旅情がありました」

文  増野光俊

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