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宇部興産、LED照明向け固形蛍光体、耐熱性10倍、長寿命化――車や屋外標識用。

2010年07月27日 / 日経産業新聞 このエントリーをはてなブックマークに追加

 宇部興産は発光ダイオード(LED)照明向けに、新たに固形の蛍光体を開発した。耐熱性や耐光性に優れるセラミックスでLEDを封止する構造。粉末の蛍光体と樹脂でLEDを覆う従来製法に比べて耐熱性が10倍以上になり、長寿命化につながるという。2012年度をメドに発売し、自動車のヘッドライトや屋外標識など、長期的に安定した性能が求められる用途を開拓する。

 蛍光体の商品名は「Melt Growth Composite(MGC)」。酸化イットリウムと酸化アルミニウムの複合酸化物(YAG)と、サファイアをそれぞれ単結晶のまま結合させたのが特徴という。

 一般的なLED照明は、黄色いYAG蛍光体の粉末を混ぜ込んだエポキシ樹脂で青色LEDを覆っている。透明な樹脂だけを透過した青色光と、蛍光体を透過した黄色光とが混ざり、人間の目には白色に映る。ただ青色LEDは光のエネルギーが強く、熱などで樹脂が劣化すると照明が次第に暗くなる難点がある。

 宇部興産は固形のMGCで青色LEDを閉じ込める新製法を開発した。固形のYAG蛍光体を透過した黄色光と、サファイアの部分を透過した青色光とが混ざって白色に見える。セラミックスなので耐熱性はセ氏1700度前後。150度近辺が限度の樹脂よりも長寿命になる見込みだ。

 耐熱金属の製造技術を応用。複数の単結晶を同時に凝固させる特殊技術を確立することで内部の断層をなくし、光の透過ロスが小さい材料を実現した。従来構造のLEDはパッケージの1面のみが光るが、MGCは全体が発光するため、より明るく発色できるとしている。

 LED照明市場は電球などの代替需要で今後も拡大が見込まれるため、同社も高機能材料を投入する。現時点での製造コストは樹脂を使った製法と同程度。今後も研究を進め、発売までにコスト引き下げを目指す。

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