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IDEC、LED事業――産業用開発へ専門組織(追跡イノベーション)

2009年05月20日 / 日経産業新聞 このエントリーをはてなブックマークに追加

機械内の照明も提供

 制御機器大手のIDECが産業向け発光ダイオード(LED)照明の事業を強化している。専門の開発組織を四月から本社に置き、工作機械に組み込むものから工場内の照明まで幅広く対応できる形を整えた。安全スイッチなど制御機器で高いシェアを持つ同社にとって新たな事業の柱作りは長年の課題。「LEDを新たな中核事業に育てたい」としている。

 工作機械内の照明をLEDにできないか――。昨春以降、取引のある工作機械メーカーなどからこんな依頼が頻繁に舞い込むようになった。きっかけは二〇〇八年三月に館内照明すべてをLEDにした「セールスオフィス」(大阪市)の設立だ。見学に対応するほか、要望に応じたLED製品も設計、機器内にLEDを使った使用例なども展示している。訪問社数はすでに二百社を超えた。

 〇九年四月には開発者二十二人を集めた部署を本社内に設け、顧客の声を聞きながら設計やデザインに取り組むようにした。全国にある従来の営業担当社員のネットワークと合わせ、顧客の要望に柔軟に対応可能な開発体制を敷いた。

 LED照明製品統括部長を兼ねる三笠洋補・執行役員は「LEDを活用できる範囲は広い」と話す。個々の企業の要望にあわせた照明の開発を強化する。

 IDECはLED事業を〇六年に開始、昨年は防水機種などラインアップを拡充した。工場や事務所内で使う照明用としての製品群もそろえている。一般の照明器具はパナソニック電工や東芝などと競合するが、IDECは得意なセンサー類などと組み合わせて、スイッチ機器なしで調光ができる照明システムなどを提案、他社との違いを打ち出す。色や明るさも求めに応じて変えられる。

 蛍光灯に比べコストが高いにもかかわらず、産業向けでLED化が広がりつつあるのは、寿命の長いLED照明の採用で管の交換などメンテナンスにかかるコストを削減したいとの事情がある。工作機械では設計上、手の届きにくい場所に照明があるケースも多く、交換間隔が延びれば作業負担の軽減や設計の自由度向上にもつながる。

 改正省エネ法では中堅・中小企業も二酸化炭素(CO2)削減などについて、報告や計画策定を求められるようになることから、蛍光灯に比べて消費電力量を減らせるLED照明の導入を検討する企業は増えているという。

 「機械内照明として導入してもらうには、開発段階から顧客企業とやり取りをしなければならない」(三笠執行役員)。IDECは一三年三月期までにLED関連事業で三十億円の売上高を確保する目標を掲げている。景気の悪化で目標達成のハードルは上がっているが、顧客企業との関係を密にした開発を進め、需要が増加する際は一気に浮揚できるよう下地づくりを急いでいる。(佐々木元樹)

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