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LED、有機EL――次世代照明、面発光で折り曲げも(VS素材技術)
有機EL 面発光で折り曲げも
LED 低消費電力で長寿命
電球や蛍光灯に代わる省エネ型の次世代照明への参入が相次いでいる。普及期を迎えるLED(発光ダイオード)照明は、省エネ性能を高める蛍光体や関連材料の開発が加速。面光源として壁や天井に一体化できる有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)照明も10年度から実用化が始まる。次世代の本命争いが過熱しそうだ。
LED照明と有機EL照明はともに有機化合物が自ら発光することから「固体照明」と呼ばれる。最大の違いは発光方式で、前者がLED素子が「点」で光るのに対し、後者はパネル全体が「面」で発光すること。素材開発では三菱化学や昭和電工、コニカミノルタホールディングスなど両方を手掛ける企業も多い。
LEDはもともと家電製品の表示灯などに使われてきたが、照明に用途が広がったのは1993年に日亜化学工業(徳島県阿南市)の中村修二氏が青色LEDの開発に成功したのが起点。特許訴訟でも有名だが、日亜化学は青色LEDを黄色の蛍光体に通して白く光らせる「白色LED素子」で照明用途を開拓した。
2009年からパナソニックやシャープが電球型のLED照明を相次ぎ発売し、家庭に徐々に普及し始めた。消費電力が白熱電球の8分の1で、寿命は蛍光灯の4倍の4万時間。低消費電力と長寿命が最大の武器だ。
三菱化学は今春、消費電力に対する明るさを従来の1・5〜2倍に高めた新型素子を実用化し、LED照明事業に本格参入する。日亜化学の方式とは違い、近紫外光の素子と赤・青・緑の3色の蛍光体を使い、太陽光に近い光を再現する。
変わり種なのは植物工場向けの照明にLEDを使う昭和電工。植物がエネルギーとして利用しやすい660ナノ(ナノは10億分の1)メートルの赤色光を高出力で照射するLED素子を開発した。省エネ・省電力だけではない新たな需要を開拓する。
一方、有機ELは液晶に代わる薄型テレビ向けとしても期待されるが、最近では「本命はテレビより照明向け」(三菱化学の奥川隆生執行役員)との声が大きくなり始めた。液晶テレビの画質向上と価格下落が急速に進み、有機ELテレビでもうけるビジネスモデルが描きにくいためだ。
電圧をかけると光を放つ有機物化合物をパネルに均一に塗ることで面全体が光る。樹脂基板に塗布すれば紙のように折り曲げることも可能。このため壁や天井だけでなく、カーテンを光らせるという使い方も広がる。
有機EL照明は各社がまだ開発段階だけに、省エネ性や寿命ではLEDに軍配が上がる。ただ赤や青など発光色を自在に変えられるのがLEDにはない特徴。デザイン性に優れるため、まずは店舗照明などから実用化が進みそうだ。
三菱化学は有機ELの製造技術を持つパイオニアに出資し、共同開発で11年中の量産を目指す。コニカミノルタホールディングスも米ゼネラル・エレクトリック(GE)と提携。写真フィルムの技術を生かして10年度に事業化する計画だ。
家庭でエアコン、冷蔵庫に次ぎ電力を消費する照明。温暖化ガスの排出削減のためにも次世代照明への期待は高まる。2つの素材が性能や用途を競うことで、普及に弾みが付くのは間違いない。(磯貝高行)













