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3原色発光の無機EL、産総研、屋外表示盤に実用化めざす――耐熱性高く長寿命も。

2012年01月20日 / 日経産業新聞 このエントリーをはてなブックマークに追加

 産業技術総合研究所の高島浩主任研究員らは赤、緑、青の3原色の光を出せる無機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子を開発した。次世代ディスプレーとして最有力視される有機ELより耐熱温度が高く、長寿命が期待できる。今後の改良で輝度を高め実用レベルを目指す。企業と組み屋外用のカラー表示盤などへの展開を目指す。

 開発したのはペロブスカイト型と呼ぶ結晶構造を持つ酸化物を用いた素子。このタイプの酸化物は比較的低い電圧で電気が流れるうえ、耐熱温度がセ氏150度以上と高い。光源として長時間利用してもほとんど特性が落ちないと研究チームはみている。

 出す色によって各素子の薄膜の積層構造を変えた。赤色と緑色では、発光層の材料にカルシウム・ストロンチウム・チタン酸化物を使用した。これにレアアース(希土類)のユーロピウムを添加すると赤く光る。テルビウムを加えると緑色に光るようになる。青色の場合はストロンチウム・スズ・チタン酸化物を使いユーロピウムを加えた。

 電気を流したところ、赤色は20ボルトで1平方メートル当たり10カンデラ、緑色は40ボルトで2カンデラ、青色は150ボルトで2カンデラの輝度を得た。実用的な表示盤を作るには100ボルト以下で100カンデラ以上の輝度が必要となるため、今後は組成と構造を最適化する考えだ。

 無機ELディスプレーは一部で製品化しているが、3原色とも直接発光する薄膜タイプはないという。素子も今回のペロブスカイト型酸化物とは異なる材料で、発光に300ボルト以上の電圧が必要だった。新開発の素子を利用すれば、家庭用の100ボルトでも発光できる。

 新技術はテレビなどにも応用できるが、輝度や画質面などでの課題も残る。まずは厳しい環境下でも使える屋外用表示盤などで実用化を目指す。ガラスに素子を張り付け、テレビや照明に切り替わる窓ガラスなども実現できるとみている。

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