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コーナン商事、産直野菜を拡販――店舗間供給、ツアー客誘致(売る技術光る戦略)
ホームセンター大手のコーナン商事が産直野菜の販売を拡大している。店舗周辺の農家と契約してとれたての野菜を並べる仕組み。2008年末に1号店を開いてから1年半で4店まで拡大。相互に商品を供給して品ぞろえを増やすほか、バスツアーの行き先に店舗を組み込んで観光客も呼び込んでいる。
和歌山県上富田町の店舗内にある「こーなん産直館」。約650平方メートルの大型の売り場にピーマンやカボチャ、トマトなど地元の農家が生産する野菜が並ぶ。同店で契約する農家は600軒にものぼる。
農家が毎日とれたての野菜を店頭に持ち込む。店頭での販売はコーナンが手がけ、売り上げの15〜30%を売り場の利用料として農家から受け取る。売れ残った商品は農家が持ち帰るかセールで見切り販売する。
卸業者を通さないことで店頭価格は通常より1〜2割安くできるという。農家は自前の売り場を確保できるうえ、コーナンは在庫リスクを負わないですむ。野菜を扱った経験が乏しいコーナンにとって最適な仕組みといえる。
この産直館は08年末に開いた上富田町が最初。09年に兵庫県淡路市と愛媛県久万高原町の店舗にも開設。10年5月には京都府福知山市に開いた。合計4店に増えたことで、店舗間で商品を融通することが可能になった。
上富田町の産直館には淡路産の玉ネギなどが並ぶ。逆に上富田町からはブロッコリーなどの野菜を他店に供給している。
店舗間の配送は農家が手がけるため、コーナンには新たなコストは発生しないという。コーナンの田中美博上席執行役員は「新店と既存店で商品を供給し合うことで、産直館全体の魅了を高められる」と話す。
産直野菜の販売は、日用品など本来のホームセンターの商材販売にも好影響を及ぼしている。野菜を買うため毎日来店し、ついでに日用品を購入する客も多いためだ。来店客の半分以上が産直館目当てという店舗もあるという。
上富田町の産直館は当初、同じ建物にある日用品の売り場との間に仕切りを設けていたが撤去した。田中上席執行役員は「消費不況で客単価が下がるなかで、来店頻度を高めることが重要」と効果を強調する。
来店客から「コーナンだけで買い物が済ませられるようにしたい」との要望があったことから、上富田町の産直館では北海道産のニンジンなど、ほかの地方からの仕入れ品の販売コーナーを設けた。しょうゆや酢、人気のラー油などの調味料もそろえている。
現在、力を入れているのが観光客の取り込みだ。上富田町の店舗は海水浴の名所、白浜に近いうえ、熊野古道の入り口に位置する。関西だけでなく全国から観光客が訪れる。
ドライブがてら産直野菜を購入する観光客が多いという。それに合わせて地元の土産物店のお菓子を扱うほか、梅干しなど和歌山名産のコーナーも設けている。
さらに自治体や地元のバス会社と協力して大阪から熊野へのバスツアーを計画し、途中でコーナンの店舗に寄ってもらう取り組みも始めた。品ぞろえと集客の両面から事業拡大の工夫を重ねている。(安西明秀)












