ニュース
ABCマート、グランドステージ仙台店(戦略拠点あすを拓く)
専門フロア、衣料も手厚く
靴専門店大手のエービーシー・マートが4月に全面オープンした「グランドステージ仙台店」(仙台市)。売り場面積が1320平方メートルと、これまで同社最大だった自由が丘店(東京・目黒)の1・5倍にあたる超大型店舗だ。初の試みとして単一ブランドの専門フロアを設けるなど品ぞろえの幅と深さを追求し、今後の旗艦店や大型店のあり方を探っている。
「ナイキ専門ショップのない東北地区で初の専門フロアを最上階に設けたことが話題になり、お客さんがシャワー効果で全館を回遊してくれている」。グランドステージ仙台店の山寺康介店長は同店の強みをこう話す。
仙台一の繁華街である国分町に近いビルを1棟借りした同店は、地下1階から地上4階までの5フロアで、標準店の5倍近い規模を誇る。4階をナイキ、3階をアディダスの専門フロアに充てた。ナイキ目当ての若者やカップル、アディダスフロアに多い親子連れと、異なる客層が上層階から他のフロアも見ながら降りてもらう仕掛けだ。
両ブランドのフロアとも、靴だけでなくトレーニングウエアからTシャツなどのカジュアルウエアまで、衣料品を手厚く扱っているのも特徴だ。
「人口減などを見据えると靴の需要だけで生き残るのは厳しい。衣料など他の分野の開拓に挑むのがこの店のコンセプト」。ABCマートで同店など南東北エリアを担当する橋ノ口祐介スーパーバイザーは話す。同店全館に占める衣料品の売上構成比は約25%。他の大型店平均の10%を大幅に上回る。
他のフロアでも衣料品をはじめ靴以外の商品展開が目立つ。プーマやニューバランスなどナイキ、アディダス以外の有名ブランドや「VANS(バンズ)」といったABCマートの独自ブランドを集めた2階ではサイクリング用の自転車も販売。ビジネスやトレッキングなど革のシューズ売り場とした地下1階ではリュックサックやステッキなどアウトドア用品も扱う。
店の顔となる地上1階に据えたのは婦人靴だ。昨秋から婦人靴専門店の「ヌオーヴォ」の本格展開に乗り出すなど開拓に力を入れ始めた分野とあって、華やかなサンダルやパンプス、ミュールなどで店頭を飾り、女性客が入りやすくしている。ここでも靴に合わせる靴下やレギンスなどもそろえ、「1階だけで全館の30%の売り上げを稼ぐ」(橋ノ口氏)けん引役になっているという。
近隣に地元百貨店の藤崎がある立地を生かし、中高年女性が履きやすいウオーキングシューズや、ヒール部分が太くしっかりした靴などの品ぞろえも徐々に強化。「百貨店の顧客層も取り込みつつある」(同)
開店以降の約4カ月の売れ行きは、目標とする年商10億円を達成できるペースという。「山形や福島など近隣県のポイントカードを持つ客も来店している」(同)。東北全域からの集客強化に向け、さらにテレビや新聞、ラジオなどのマス媒体を駆使した積極的な広告を打つ戦略だ。
東京や大阪の都市部やショッピングセンター中心の出店から、今後は郊外の路面店展開も課題に掲げるABCマート。グランドステージ仙台店の店づくりは、こうした店舗拡大や大型化の成功に向け大きなカギを握る。(白尾和幸)
〈グランドステージ仙台店の概要〉
▽開 業 2010年3月27日に地下1階〜地上2階、同4月10日に3〜4階
▽所 在 地 仙台市青葉区一番町3−9−18
▽売り場面積 約1320平方メートル
▽ポイント
(1)標準店の5倍の面積を誇る超大型の売り場で、衣料や雑貨の品ぞろえも追求
(2)上層階の4階はナイキ、3階はアディダスと同社初のブランド専用フロアに
(3)地上1階は強化分野の婦人靴に充て、若者から中高年女性まで幅広く取り込む












