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第2部eリテール特集――電子看板街を彩る、試供品配布、クーポン配信、通販割引。
情報+αの価値提供
店舗システムの中で、急速に普及し始めたのが電子看板(デジタルサイネージ、DS)だ。設置場所はスーパーやコンビニエンスストア、書店など多岐にわたる。商品情報や広告を流すだけでなく、試供品を提供したり、ポイントを付与したりと、見せるだけの広告からの進化も続く。一方で、街頭や交通機関など、公共性の高い場所で情報を流す「街メディア」としても浸透が進んでいる。広告映像や情報の入出力拠点が、街中にあふれる時代が到来した。
商品情報と一緒に試供品もどうぞ――。DSは情報だけでなく、様々な価値も提供するメディアに進化している。凸版印刷は、DSに試供品の配布機能を持たせた「プロモーションマシン『samplin(サンプリン)』」を開発した。
幅2メートル強の本体に、商品情報を流す大型液晶とタッチパネル、2次元バーコード(QRコード)の読み取り装置、商品陳列棚などを組み込んだ。2009年10月から首都圏のイトーヨーカドー3店に導入。会員登録して取得したQRコードを端末に読み取らせてサンプルを受け取る。試供品は特殊なマーカー付きの専用箱入り。液晶上部にあるカメラに写すと、AR(拡張現実)技術を活用して娯楽性の高い映像に仕上げて印象づける。
武蔵小金井店(小金井市)では、客がひっきりなしに訪れる。この日の試供品はペットシート。カメラに箱をかざすと、画面内の箱が商品に早変わり。「瞬間吸収」「長時間消臭」など商品の特徴も浮かぶ。食品や日用品など週替わりで提供し「週末には長蛇の列で、予定数がすぐなくなる」(同店)という人気ぶりだ。配布した商品・ブランドの売り上げ点数が前の週に比べて大きく伸びることも分かった。
同機の導入で、新規に約9000人が会員登録した。大型液晶に付けたカメラで、広告を見た客の性別、年代などを記録、収集したデータはマーケティングにも活用できる。凸版は「11年3月期までに100台を導入したい」と計画する。
カタログ通販大手のニッセンホールディングスは、DSで通販の割引特典を提供する取り組みを実施した。
09年10月から首都圏の書店にDSを設置。同年12月から始めたキャンペーンで、携帯電話の非接触IC技術「フェリカ」を搭載した携帯でDSにタッチすると、来店1回ごとにスタンプ1個を付与。10個たまるとニッセンの通販で買い物をするときに500円割り引く特典を付けた。広告媒体としてのDSの注目度を高めつつ、本業である通販事業の利用者増につなげる狙いだ。
ジェーシービー(JCB)も、DSで飲食店や物販店など加盟店のクーポンを提供する実証実験を実施。横浜市内のDSにフェリカ搭載の携帯を近づけると、周辺の観光情報などとともにクーポンを配信。精算時に提示すると割引料金で利用できるようにした。
市場調査会社のシード・プランニング(東京・台東)は、システム関連とコンテンツ関連を合わせたDSの09年国内市場規模を、前年比約1割増の613億円と推定する。今後は導入拠点数、情報の種類がともに増加すると見込み、5年後の15年に16倍以上の1兆100億円規模に拡大すると予測している。












