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NY大手百貨店、旗艦店を大改装――高級化鮮明、「割安」に逆行(米国小売り見聞)

2009年11月05日 / 日経MJ(流通新聞) このエントリーをはてなブックマークに追加

 米国の服飾専門の百貨店が相次ぎ旗艦店の大型改装に着手している。高級デザイナーの衣料品売り場の刷新や、大型モニターを導入した対面販売の導入などで、顧客への訴求力を一段と高めるのが狙い。高級百貨店を取り巻く環境は厳しいが、改装効果で客足の回復を図りたい考えだ。

 ニューヨークのマンハッタン五番街。高級百貨店サックスの旗艦店が先月、3階の女性衣料売り場の大掛かりな改修工事を終えた。以前から高級価格帯のデザイナー衣料を販売していたが、品ぞろえをさらに拡充。試着室の改装やVIPルームの開設など富裕層に焦点を合わせた。

 売り場面積は約4600平方メートル。ここに23のデザイナーのインショップを設け、49のコレクションを取り扱う。夜会服が得意のオスカー・デ・ラ・レンタ、シャネルのほか、デゥーリなど活躍中の若手デザイナーを含めて知名度も価格も高いブランドを選定。

 ルイ・ヴィトンは従来のハンドバッグ、靴などのアクセサリー類に加え、今回から既製服も新たに販売し、初めて全商品ラインを扱う。

 壁に囲まれるのが一般的な試着室に大きな窓をつけたのも改装の目玉という。ロックフェラーセンターやセントパトリック教会を見下ろす眺望が売り物だ。サックスはこれに先立ち男性衣料品売り場を大改装し、高価格帯を強化するなど、高級化路線を鮮明にしている。

 2008年度は全米店舗で100カ所以上のインショップの改装を手掛け、化粧品売り場から靴売り場までを対象に含めたが、今年は投資を旗艦店に絞り込んでいる。「(設備投資は)08年度に1億3000万ドル程度だったが、09年度は6000万ドル程度に抑えた」という。新規出店も抑えるなど、全体の投資は抑制モードにある。

 一方、競合するメーシーズ傘下のブルーミングデールズは、ニューヨークのマンハッタン東にある旗艦店の1階化粧品売り場を04年から5年近くかけて大改修。10月末に工事を終える。同社は現在「ニューヨーク最大のメークオーバー(大変身)」と銘打った広告を展開中だ。

 一連の改修では化粧品売り場の一角を占めていた男性衣料品を地階に移し、化粧品販売スペースを400平方メートル超増やした。コンピューターの大型モニターを販売コーナーに備え、顧客が試しながらメーキャップの仕方を学べる仕組みも取り入れた。

 今後も1階のファッション衣料品や宝飾品売り場などを段階的に改修し、来春をメドに改修工事を完了する計画。

 消費不振の長期化を背景に、百貨店とアパレルとの関係には緊張感が強まっている。大手のリズ・クレイボーンが主力ブランドの販売を来秋からJCペニーに限定すると発表したのはその一例だ。

 ギャップなどの衣料専門店、ターゲットなどディスカウントストアのファッション衣料の拡充もあり、百貨店が衣料品流通の川上に対して主導権を維持するには、インフラとしての店舗の魅力向上が欠かせない。有力百貨店の相次ぐ大規模改修は、そうした戦略の一環といえそうだ。

(ニューヨーク

=河内真帆)

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