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ヨーカ堂「アリオ松本」に"百貨店"、品ぞろえ差異化で平日集客(売る技術光る戦略)
イトーヨーカ堂が昨年末に改装したアリオ松本(長野県松本市)で新たな店づくりに挑戦している。同店はヨーカ堂が駅前に多く展開する箱形の総合スーパー(GMS)の1つだが、箱形GMSとして初めて「アリオ」の名称を使うとともに、そごう・西武やロフトなどを導入。セブン&アイ・ホールディングスのグループ力を生かしたてこ入れにより、集客力を高めている。
2011年12月16日、JR松本駅前にあったGMS「エスパ松本」が「アリオ松本」に衣替えした。アリオのロゴマークが外壁に取り付けられるなど外観も変わったが、改装でより注力したのは中身の変革。「ここでは新たな挑戦を数多く施した」(亀井淳社長)という。
最大の特徴が2階の婦人服売り場、5階の紳士服売り場の一角に登場した、そごう・西武が運営する売り場だ。「SEIBUレディス」「SEIBUメンズ」と名付けられた売り場の広さは合計で約420平方メートルと、アリオ松本全体のわずか3%強にすぎないがその存在感は大きい。
売り場の上部には「SEIBU」の名前が刻まれた看板を配置。売り場の柱にはレナウンの「ポートダーバン」、東京スタイルの「アドレス」、詩仙堂グループの「第五空間」など百貨店でしか取り扱いのないブランドの名前が掲げられる。そごう・西武が直接仕入れるバッグなどの雑貨売り場も設けた。
SEIBUの運営はそごう・西武が担当し、そごう・西武の社員やアパレルの派遣社員が百貨店流の接客を行う。
6万円を超えるコートや3万円近いジャケットなど価格帯の高い商品だけに、飛ぶように売れるということはない。ただ、「平日に商品を確認し、休日に実際に購入するという傾向が見られる」(ヨーカ堂)。
SEIBUの売り上げは当初計画を4割ほど上回り好調。加えて、他の店舗と差異化できる商品を品ぞろえすることで、平日の来店動機にもつながっているとみる。
GMS内に百貨店を"導入"したのに合わせ、自営売り場も変化させた。例えば2階の婦人服売り場。プライベートブランド(PB=自主企画)の「ギャローリア」と「グッデイ」は従来の平置きでの展開でなく、マネキンを多く使って商品を立体的に見せるなど、動きのある陳列に力を入れた。
セールをしていた商品を前面に置くのではなく、入り口から遠い場所に配置。プライスカードを極力目立たないようにするなど、今までにない売り方にも取り組む。隣接するSEIBUとのバランスをとることを心がけ、「ショップに見えるように工夫した」(戸井和久取締役)。
同店ではそごう・西武だけではなく、セブン&アイ傘下の赤ちゃん本舗やロフトも導入した。ヨーカ堂のMD(商品政策)の弱い部分を補完するために、グループのノウハウを結集した形だ。
改装前のエスパ松本はこの10年で売り上げが3割減少するなど低迷が続いていたが、アリオへの改装後は「計画を3割上回るペースで推移している」(ヨーカ堂)。この好調を今後も維持することができるかが、今後のGMSのあり方に大きく影響する。
(豊田健一郎)













