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イケアのショールーム――細部に宿るリアルさ(実践実戦CS向上指南)
イケア・ジャパンは2011年12月、日本1号店のIKEA船橋(千葉県船橋市)の2階ショールームを大改装した。1世帯の間取りと空間をまるごと再現した「ホーム」を10種類、リビングやダイニングなどの部屋単位の「ルームセット」を五十数種類設置している。「世界のイケア」がこの5年間に日本の住まいをどのように研究してソリューションを提案しようとしているのか? 同店の2階のショールームは注目に値する。
感銘を受けるのは一つ一つのホームやルームの提案が真に迫っていることだ。リビングルームにはついさっきまで家族が談笑していたかのような雰囲気が漂っている。子供部屋は今しがた子供を学校に送り出した直後のようだ。ダイニングのテーブルには朝食のコーヒーのにおいが残っている感じがする。本当にここで誰かが生活しているのではないか? そういう気がするくらい、それぞれの提案がいきいきとしているのだ。
家具などを販売するのに実際に使っている様子を展示して見せるのは珍しいことではないが、ここまで迫真の「見本」は見たことがない。どうしてこういう演出ができるのだろうか?
一言で言うと、一つ一つのホームやルームの状況を細部まで設定しているからだ。例えば「2人暮らし」がテーマのホームは、「初めて2人暮らしを始める夫婦」「夫は小学校の先生で趣味は登山」「妻は主婦」「休日には2人でピクニックや登山に出かける」「普段の生活でもキッチンでハーブを育てている」と、人物を細部まで想定して作り込んでいる。それに加えて、それぞれのホームやルームで「今何をしている瞬間なのか?」をこと細かく設定している。例えばあるルームは「家族でテレビを見ているところ」。そこまで考えているから提案が現実味を帯びるのだ。もちろん洋服や書籍などの小物は実物を置いている。
商品だけを適当に並べたおざなりの提案ではこれほどのリアリティーは生まれない。IKEA船橋は、あらゆる業種業態にとって必見の店舗である。
(日本ホームセンター研究所所長 高橋直樹)
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