顧客を惹きつけるお店・店頭販促の手法【河野英俊】
『ショップが売れる仕組みについて考えてみよう。売れるとは、何?』
(1)お店はどうあるべきか?
(2)店舗の改装ができない店が増えている?
(3)店舗改装の本当の意味とは?
(4)POPの必要性や効果とは?
(1)お店はどうあるべきか?
今回は店舗の販売について考えてみたいと思います。
ここ最近の店舗の傾向は、顧客の集まる店舗とそうでない店舗の差が、さらに大きくなりだしていることでしょう。
お店は個性を示し、その個性を顧客に認めていただくことで、支持を得ることができます。そして、その次の段階である、その支持をどのくらい得られるのかということも重要な部分です。
顧客の支持を得ていたとしても、一定以上の支持を得ることで初めて毎年営業を続けることができるのです。だから、次の段階である、ある一定以上の支持を確保できているかということが、とても重要になります。また、一定以上の支持とは、採算に乗せられるかどうかという部分のことです。
前回のコラムで少し触れた、老舗百貨店ですが、熱烈なファンがいること自体は、その老舗百貨店にとても魅力があるということを示しており、そのことは十分に認めることができます。
しかしながら、何十年も支持してくれた熱烈なファンがいたとしても、その人数が一定数以下だとすると、残念なことに、閉店になってしまうということです。
コアな顧客も大切ですが、店舗の規模に合わせた施策が重要であり、採算だけを考えると、理論的には店舗の規模を小さくすれば、少ない客数でも百貨店は採算ベースに乗せることが可能になるということはあります。しかし、それでは、百貨店たり得ないという部分と、本来の姿ではないので、熱烈なファンすら失うことになります。大規模な建築物が前提であることが、問題を難しくしています。
そうだとすると、百貨店は大きな規模で、小売業のトップ、王者らしい業態として進むことは外せない要素かもしれません。
各種専門店も、競争がますます厳しくなっています。国内の成長が見込めないため海外に打って出ることも重要な戦略になりだしていますが、基本はやはり、国内の店舗がしっかりしていることです。
小売業として、売場や商品に常に磨きを掛けることが、顧客を引きつけ呼びこむためには欠かせないことです。
結果として、良いお店にはお客が集まり、そうでないお店はお客が去ってしまいます。お客様は正直で、お店が良ければ来てくれます。
確実な「商売の王道」を行くなら、お客のために全てのことに改善を重ねることです。売場や品揃えやサービスの改善を重ねているお店が、その評判を保ち続けることができるのです。小売業やサービス業なら顧客の要望に応えること、お客様に喜ばれるために腕を磨くことが、一番の近道です。
(2)店舗の改装ができない店が増えている?
お店は、手を加えないままにしておくと、どんどん古くなってしまうものです。
そのため、商圏内や近隣に同業のライバル店が進出してくると、通常の場合は、新しくできたライバル店と自店の外観や内装を見比べて、年数が離れていればいるほど見劣りしてしまうということがあります。
古くなった店舗は、イメージがマイナスになりやすいということです。
多くの店舗を展開している場合、店舗の改装に力を入れないでお店の数だけを増やしていくと、しだいに1つ1つの店舗が外装・内装で見劣りしてしまい、開店時期が早い順に、競合店に次々と負けていくことも考えられます。
一方、外装・内装が新しくなったとしても、競争に勝てないということもあるのです。大改装を実施しても、それに見合った業績を伸ばせていないためです。そうすると、外装・内装を新しくした改装コストは無駄になり、さらに大変なことになってしまいます。
また逆に、大きな改装をしないでも、やっていけている店舗もあります。
(3)店舗改装の本当の意味とは?
ここで大事なことは、店舗には、①建築・内装面と、②売場運営面があります。一般に、「ハード面」「ソフト面」という言葉もありますが、業界や人により解釈が異なるので、上記の①②の言葉で表現しておくことにします。
①の建築・内装面は、その言葉どおり店舗を箱として考える建築、そして店舗の内側の床・壁・天井・什器を含めた内装面のことです。
②の売場運営面とは、その店内に商品を陳列するためのスキルや商品、スタッフ関連のことです。
古くなった店舗で、イメージがマイナスになってきたということは、①の建築・内装面が古くなったということで、外装・内装が新しくなったにもかかわらず、競争に勝てないということは、①の建築・内装面だけではないということです。大きな改装をしないでも、やっていけている店舗があるということは、①の建築・内装面に頼らず、②の売場運営面をしっかりしているということです。
店舗を上手く運営するには、①の建築・内装面と②の売場運営面の両方が欠かせないのですが、②の売場運営面の確かさがあって、①の建築・内装面を状況に合わせて更新していくということが、今の時代には特に重要になってきていると考えます。
【建築・内装面と売場運営面の販売に関する関係】

(4)POPの必要性や効果とは?
もし売場において、「POPはあっても無くても良い」という考えで運営されているとすると、販売チャンスをみすみす逃している状態で、本気で売ろうとしているのか疑問に思えます。もし、これ以上売れてしまったら困るというのであれば、それも仕方が無いのかも知れません。しかし、そうした場合でも、「近日に入荷いたします」「品切れしており、誠に申し訳ございません。○/○入荷予定です」など、親切な売場であればこうしたPOPを付けているでしょう。
顧客における店内の購買に関する動きとして、「非計画購買」という行動があります。これは、お客様がお店に行ってから購入する商品を決めるという動きのことです。
「POP」は、この「非計画購買」を強く促すことができるツールであることを強く認識する必要があります。
「POP」はあっても無くても良いということではなく、「POP」が付いていることを基準とすべきです。「非計画購買」に強く、「非計画購買」以外の効果もある「POP」が付いていることで、販売実績に大きな差が生まれます。
3月11日(金)に開催するセミナーのお知らせ
さて、3月11日(金)にJAPAN SHOP2011と同時開催する店頭販促セミナー「売上アップは店頭から―効果的な売り場づくり」についても私が講師を務めることになりました。「売場運営面」について、「対応を整理したい」「忘れてはいけないことを確認したい」「基本も確認したい」と感じている場合は、是非ご参加いただければと思います。
セミナーでは、「売場」「陳列」「POP」等のポイントについて、紹介したいと思っております。それでは、会場でお会いできますことを、楽しみにしております。
「売上アップは店頭から―効果的な売り場づくり」セミナー詳細・お申し込みはこちらから
河野英俊 プロフィール
お店・商業コンサルタント
関西学院大学卒業。河野経営コンサルティング代表。セブン&アイ・ホールディングスから大手コンサルティング会社を経て独立。著書多数。小売業・サービス業の店舗戦略から売れる売り場への改善・不振店の活性化に、店舗特性を引き出し、実践的な策で業績改善に腕を振るう。企業内研修も好評で、数値活用によりマネジメント力を強化する研修(数値活用力強化研修)、販売力を強化する研修(売り場つくり・VMD・販促・単品管理・サービス強化)も、効果があり分かりやすいことで高い評価を得ている。また、各種セミナー・専門誌にも、企業力を高める提言や現場改善に強いコンサルタントとして講演・執筆の依頼を受けている。著書は『売り場の魅せ方、仕掛け方22のコツ』(NTT出版)『魅せる売り場はこうつくれ』(ぱる出版)『お店の数字に強くなる本』(かんき出版)など20冊に及ぶ














