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物流ジャパン総力戦――鉄道、GPSや電子タグ"連結"(マンスリー編集特集)
HVディーゼル機関車 秒読み
環境保全への意識の高まりが追い風となっているのが鉄道による貨物輸送だ。日本貨物鉄道(JR貨物)は「二酸化炭素(CO2)排出量がトラック輸送の約7分の1」という環境負荷が少ない貨物鉄道の長所を売りに、企業の荷物を運ぶ需要を取り込んでいる。この追い風を貨物量の増加、収益拡大につなげようと、システムの充実などを進めている。
まずIT(情報技術)を駆使し全国に散らばるコンテナ貨物の管理システムを導入。全地球測位システム(GPS)を活用して、貨物列車や個々のコンテナ貨物がどこにあるのかを把握できるようにした。
JR貨物の約9万6000個のコンテナや8000両程度の貨車、約2万台のコンテナ貨物を集配するトラックに電子タグを装着。長さ約20センチメートルの小さな電子タグの中には固有番号が書き込んである。これらの情報をフォークリフト前面にの「IDタグ読み取りアンテナ」で読み、無線LANを通じてホストコンピューターに情報を登録する。
また貨物列車から2分に1回程度、今どこを走っているかの位置情報もホストコンピューターに伝える。これで貨物が今、どこにあるかが把握できる。情報は運送会社経由で荷主にも伝わる。運送会社や荷主に正確な情報を提供し、安心感を与える狙いだ。以前は紙の伝票で「貨物がどこにあるか瞬時には分からない状態だった」(JR貨物)。貨物が行方不明になることもあったという。
環境に優しいという長所を強化するための施策も進める。その一つがハイブリッド(HV)型のディーゼル機関車の開発だ。エンジンで発生したエネルギーをリチウムイオン蓄電池にため、機関車を動かすエネルギーの一部にする。
ブレーキをかけた時に出る運動エネルギーも蓄電池で回収する。従来のディーゼル機関車と比べて2割以上の二酸化炭素(CO2)の排出量削減が見込めるという。10年度中に開発を終え早期の実用化を目指す。
さらに悪天候でも貨物を遅れず運べるよう、西日本で貨物列車が線路の異常など輸送障害で運転不能となった場合に備え、コンテナ貨物をフェリーで運ぶ代替輸送網を確保した。神戸―大分間でフェリーを運航するダイヤモンドフェリー(大分市)と協力、緊急時はフェリーの船底にコンテナ貨物をそのまま積んで運ぶ。関西以東では小樽―舞鶴間でフェリーの代替輸送網を保有する。新たな代替輸送網の確保で、全国規模で緊急時の対応を充実することになる。
JR貨物は、コンテナ貨物の輸送量を11年度に06年度比約9・5%増の2540万トンに増やす中期目標を掲げる。だが、景気低迷で製造業が生産活動を縮小するなど、実際には年間2100万トン前後で低迷している。
一方、ここに来てキリンビールは空いているコンテナを全国で利用するなど、ビールメーカー大手が輸送を主力のトラックから鉄道に切り替える動きが出るなど貨物輸送に注目が集まってきた。
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