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電子マネー、生活シーンで賢く選ぶ――流通系、即時値引き、主婦に好評。

2010年07月25日 / 日本経済新聞 朝刊 このエントリーをはてなブックマークに追加

 専用端末にカードや携帯電話をかざすだけで買い物ができる電子マネー。流通系から交通系まで含め、発行枚数は1億4千万枚を突破し、利用促進のためのポイント付与や割引などのサービスも多彩になってきた。電子マネーの最新事情と自分に合ったお得な選び方をまとめた。

 「使うだけで5%割引はお得。ポイントと商品を交換する手続きが必要なクレジットカードなどと比べて簡単で、まとめ買いもしやすい」。笑顔でこう話す川崎市在住の20代の主婦が利用しているのは、大手スーパーのイトーヨーカドーが5月に始めた新サービス。8日、18日、28日の8がつく日に電子マネー「nanaco(ナナコ)」を使って買い物の支払いをすると、ナナコのポイントがたまるうえに、その場で5%割引になる。全国の約170店舗で利用可能だ。

 クレジットカードのようにいったんポイントを経由する必要がなく、お得感をすぐに実感したいという主婦などの間で人気を集めている。

 自分がよく利用する飲食店などをチェックして、そこで使える電子マネーを選ぶのも上手な活用法だ。吉野家ホールディングスは4月から、イオンの電子マネー「WAON(ワオン)」が利用できる「吉野家WAONカード」の発行を始めた。7月末までのキャンペーン期間中に申し込むと、300円のカード発行手数料が無料になり、吉野家の店舗で使える優待割引券1110円分がもらえる。

 ワオンは石見銀山(島根県大田市)など観光地の入場券の購入にも使えるなど、利用できる場所やサービスが広がっている。

交通系

カード一体化 お得度アップ

 通勤や通学で鉄道を利用する人は、交通機関が運営する電子マネーを一工夫加えて使うと、お得度がアップする。首都圏のバス・電車の共通IC乗車券「PASMO(パスモ)」など、交通系の電子マネーはここ数年で急速に広がっている。プリペイドカードの代わりに使うだけでは通常はポイントは付かないが、オートチャージ(自動入金)ができるクレジットカードの機能を付けると、乗車券代わりに使用するだけでクレジットカードのポイントがたまるケースが多い。

 例えば、東京地下鉄(東京メトロ)が発行するクレジットカード「To Me CARD」の機能を付けたパスモは、入金するたびにその金額分のクレジットカードのポイントがたまる。

 東急電鉄は、クレジットカードを持てない18歳未満の子供でも自動入金できる専用のパスモを発行している。保護者が東急電鉄系のクレジットカードに加入することが条件で、子供が入金した分も保護者のポイントになる仕組みだ。全国的にも珍しいという。

 こうしたクレジットカードの機能を付けた電子マネーは、系列のスーパーや加盟店などでの買い物にも使うことができ、手数料は無料の場合が多い。電子マネーを100〜200円利用するごとに、1円分の還元を受けられるポイントが付くように設定されているケースが多い。

 JR東日本の電子マネー「Suica(スイカ)」は、事前に「Suicaポイントクラブ」に会員登録すれば、キオスクなど加盟店での買い物に使えて、ポイントも付く。従来は会員登録の対象が同社系列のクレジットカードの機能を付けたスイカやおサイフケータイなどに限られていたが、3月からは普通のスイカカード(記名式)にも拡大され、使いやすくなった。

 交通機関が沿線の商店街や飲食店と電子マネーのポイントで提携する例も増えている。東京都調布市の仙川商店街協同組合では2009年3月から、加盟する約60店舗でパスモやスイカを利用できるようにした。今春からは商店街の独自ポイント「ハモカポイント」を、パスモやスイカの電子マネーと交換できる取り組みを開始。ハモカポイントは文房具店や喫茶店などで100円利用するごとに1ポイント付き、800ポイントごとに1000円分を入金できる。

 JR九州では8月31日まで、同社の電子マネー「SUGOCA(スゴカ)」の利用時に付くポイントを5倍にするキャンペーンを展開する。飲食店や駐車場などスゴカポイントがもらえる300店舗以上の対象加盟店での利用時に加え、鉄道利用時に付与するポイントも5倍にする。

ネット通販

ポイント優遇 書籍などにも

 インターネット通販サイトの決済に使える電子マネーも増えている。

 楽天子会社のビットワレット(東京・品川)が運営する電子マネー「Edy(エディ)」やスイカは、電子マネーの読み取り機能(「フェリカポート」や「パソリ」)を備えたパソコンが必要になるが、ネット通販での買い物に使える。ビットワレットは7月から、楽天のポイントがたまるエディのカードの発行を開始した。200円の支払いごとに楽天スーパーポイントが1ポイント(1円相当)もらえる。カードは仮想商店街「楽天市場」で1枚500円で販売しており、購入後に必要に応じて入金して使う。

 セブン&アイが昨年12月に立ち上げた総合的なネット通販「セブンネットショッピング」では、7日、17日、27日にナナコを使うと、ポイント付与率が通常の7倍になるケースもある。午後3〜10時までの時間限定だが、主に書籍やCD・DVDなどが対象で、お得感は大きい。ナナコの16ケタのカード番号をパソコンに入力すれば利用できる。

(五十嵐孝)

オートチャージでの使いすぎには注意を

 野村総合研究所上級コンサルタントの安岡寛道さん

 自分にあった電子マネーを選ぶコツは、会社や学校、スーパーなど普段よく行く場所で使えるものを選ぶことだ。基本となるポイント付与率は0・5〜1%程度と、どの会社も大差はない。

 電子マネーはクレジットカードと異なり、年会費がいらないので、通勤や通学などで使う基本カードを1枚、よく使う店舗のカードを2枚ぐらい持ってもよいだろう。カードを複数枚持つことに抵抗感がある人は、携帯電話に電子マネー機能を載せればかさばらないし、買い物も漏れなくカバーできる。

 残高が少なくなると自動で入金するオートチャージ(自動入金)機能が付いた電子マネーの場合、使い過ぎて利用金額が思わぬ額に膨らむ恐れもあるので、注意が必要だ。

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