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第2部eリテール特集――ICタグ、マルチに活躍、豚を個体管理。
富士通とJA全農がシステム 肉質向上に貢献
約30頭を飼育単位とする「群管理」が一般的な養豚事業で、牛のように一頭ずつのトレーサビリティー(生産履歴の追跡)を可能にするシステムを2008年9月、富士通とJA全農が共同開発した。ICタグを使い、生産者が個々の豚の健康や肥育状態を管理・分析できるため、病気のまん延防止や肉質向上に貢献し、資金調達にもメリットがある。個体管理が養豚に定着するのか、同システムはその試金石となる。
両者が開発した「養豚トータルトレーサビリティシステム」は、約3センチのポリエチレン製円盤にチップとアンテナを内蔵したICタグだ。母豚の分娩(ぶんべん)翌日にタグを生まれた子豚の耳に装着、ハンディーリーダーで母豚の番号や離乳日情報などを入力する。こうした情報を専用ソフトに落とし込んで管理する仕組みだ。
現在、養豚業者では豚肉の生産情報公表JAS(日本農林規格)に基づき、約30頭を1グループとして情報管理するのが主流。牛に比べ飼育期間が短く、出生から肥育までを一貫して手掛ける多くの生産者にとって、個体管理は手間がかかるなどの理由からだ。
新システムを導入したポークランドグループ(秋田県小坂町)の豊下勝彦社長は「個体管理で得たデータを生産現場にフィードバックすることで生産性が向上する」と説明する。遺伝子情報の解析に基づき、個体に合った予防ワクチンを使うので群管理の豚より防疫効果が高まる。ストレスなども軽減されるという。その結果、健康な豚が増え、母豚が産む子豚の数が全国平均を上回った。出荷日数も平均より4〜5日短く、餌代や光熱費などが削減できた。
従来から取り組んでいた個体管理による突発的リスクの軽減と安定的な肥育が評価され、ポークランドは07年に県内で初めて、地元の金融機関から「動産・債権担保型融資(ABL)」を受けた。JA全農畜産生産部の田代典久氏は「ICタグによる豚の管理が生産者にメリットをもたらした」と話す。
【図・写真】生まれた子豚の耳にICタグを装着、ハンディーリーダーで母豚の番号や離乳日情報を入力












