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コンビニ、稼ぐ力衰え、1店利益10年で最低、平均日販2.4%減09年度本紙調査。

2010年07月28日 / 日経MJ(流通新聞) このエントリーをはてなブックマークに追加

 「ファミリーマートに買収されて、正直ほっとしましたよ」。東京郊外のあるコンビニの店長は笑顔を浮かべる。

 以前に営業していたエーエム・ピーエムは、周辺に競合のコンビニや24時間営業のスーパーができるにしたがって売り上げが激減。平均日販は40万円を下回り、生活が苦しくなっていた。

 今年7月に看板をファミリーマートに掛け替えてからは、徐々に日販が持ち直してきた。日によっては60万円を超えることもあるという。

 この店長は別のチェーンに乗り換えられたから、まだ幸せかもしれない。全国各地には業績悪化にあえぐコンビニの店舗が無数にある。

 店舗の稼ぐ力をみるため、セブン―イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップの大手5社の日販と粗利益率を掛けて、1店が1日に稼ぎ出す平均粗利額を算出した。

 すると意外な結果が出た。大手5社の09年度の平均粗利額は14万9千円と、過去10年で最低となった。08年7月にたばこ自動販売機用成人識別カード「タスポ」が全国導入されたことでコンビニの集客力は高まったはずだが、その効果はほぼ帳消しになっている。

 2000年代前半までは日販の下げが緩やかで粗利益率が高かったため、粗利額は横ばいを維持できていた。だが05年度から日販が急激に低下したうえ、08年度からは粗利益率も急落した。

 最大の理由が店舗数の増加にともなう競争激化だ。なかでも人口が密集する都内では、高水準の出店が続く。

 西武池袋線沿線のある駅の周辺では、徒歩10分以内にコンビニが10数店もひしめく。うち4店はセブンイレブンだ。あるオーナーは「同じチェーンでは差別化できないし、古い店が不利になる。もう出さないでほしいのが本音」と打ち明ける。

 調査でも、09年度の店舗数は前年度比2・1%増えた。08年度はローソンが九九プラスを子会社化した分を除くと1・4%増で、それよりも増加率は0・7ポイント大きい。

 経営環境が1年前と比べてどう変わったかを聞いたところ、27社のうち20社が「悪くなった」と答えた。要因として「都市部のコンビニが過剰」「コンビニの出店増」をあげた企業がそれぞれ13社で最も多かった。

 店舗の稼ぐ力が衰えた2つ目の理由が価格競争だ。深夜営業する小型スーパーも増えており、ナショナルブランド(NB)商品は値下げしなければ売れない。09年度にNB商品の値下げを増やしたコンビニは27社中9社、キャンペーンなどで期間限定の値引きを増やしたのは同11社に及んだ。

 粗利益率の低下は、タスポ導入によって利益率の低いたばこが売れた影響もある。練馬区内のセブンイレブンのオーナーによれば、「売り上げの4分の1はたばこ」。ついで買いもガムなど少額品が多いという。

 大半のコンビニは、店舗が稼いだ粗利益を本部と店舗のオーナーで分ける仕組みだ。本部は店舗の粗利益が減っても店舗を増やせば補えるが、店舗のオーナーは苦しい経営を強いられる。

 すでに本部と店舗側のあつれきは表面化している。サークルKサンクスは5月、東京都と千葉県でサンクスを展開するシー・ヴイ・エス・ベイエリアを提訴した。

 「商品・サービスで競合店との差が広がっている」として、CVSベイエリアが契約満了前のチェーン脱退を求めたためだ。サークルKサンクスは「契約上、認められない」と主張する。

 コンビニが日本に誕生して約40年。店舗オーナーとのFC契約で成長してきた。稼ぐ力の衰えは、FCの基盤である"共存共栄"の関係を根底から揺るがしている。

【表】1店当たり平均日販               

〓〓   単位万円、カッコ内は前年度比増減率%、▲はマイナス   〓〓

順位   社 名   平均日販         

1   小田急商事   64   (   0.0   )

2   大津屋   63   (   ▲3.1   )

3   セブン−イレブン・ジャパン   62   (   ▲1.6   )

3   JR東日本リテールネット   62   (   ▲6.1   )

5   沖縄ファミリーマート  ※※   55   (   5.8   )

5   シー・ヴイ・エス・ベイエリア  ※※   55   (   ▲6.8   )

5   ハセガワストア   55   (   3.8   )

8   阪急リテールズ   52   (   8.3   )

8   ジェイアールサービスネット岡山  ※※   52   (   ▲8.8   )

10   ローソン  ※   50   (   ▲3.8   )

10   ファミリーマート  ※   50   (   ▲2.0   )

12   サークルKサンクス  ※   47   (   ▲6.0   )

13   ミニストップ  ※   46   (   ▲4.2   )

13   ジェイアールサービスネット広島  ※※   46   (   −   )

15   スリーエフ  ※   45   (   ▲4.3   )

16   ジェイアールサービスネット福岡  ※※   44   (   ▲13.7   )

17   ポプラ   38   (   ▲5.0   )

18   リトルスター   35   (   ▲2.8   )

19   コスモスジャパン   33   (   17.9   )

20   百円コンビニユーエスマート   20   (   −   )

(注)※はエリアFC展開企業、※※はエリアフランチャイジー               

 コンビニエンスストアの店舗の稼ぐ力が衰えてきた。日経MJがまとめた2009年度のコンビニ調査では、1店当たりの1日の平均売上高(日販)は比較可能な18社で前年度比2.4%下落。価格競争のあおりで粗利益率も下がっており、1店の粗利額は過去最低になったもようだ。し烈な出店競争の影で店舗は疲弊しており、成長を支えてきたフランチャイズチェーン(FC)の仕組みにきしみが生じている。(調査の詳細を2〜5面に)

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