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U―29年表で読む――コンビニない時代、どうしてた?(日本geneU―29)

2010年01月30日 / 日本経済新聞 朝刊 このエントリーをはてなブックマークに追加

便利な「インフラ」も曲がり角に

 店舗数が4万を超え、欠かせない社会インフラとなったコンビニエンスストア業界。ファミリーマートがエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)を買収するなど、再編の動きも活発になってきた。「コンビニのなかった時代はどうしてたの?」と尋ねるU―29(29歳以下)世代に、親世代は1970年代の「新業態登場」の衝撃から説明を始めた。

 父 いいにおいだな。夜遅くに何を食べているんだ?

 息子 コンビニのおでん。おなかがすいたから、さっき買ってきたんだ。

 父 昔は夜食が欲しくなっても、自分で作るか我慢するしかなかったのに。

 娘 コンビニに寄らない日なんてめったにない。なかった時代が想像できないわ。相当、不便だったんじゃない?

 父 日本に登場するのは70年代前半。セブン―イレブン・ジャパンの1号店は74年だった。あのころのスーパーや小売店は、夜7時には閉まる店が大半。それが当たり前で不便とも思わなかったが、そんな常識を破ったのが早朝から深夜まで営業するコンビニだった。

 母 24時間営業を始めた時は驚いた。調味料や電球が切れたとか、急なときにすごく便利。総菜やお弁当が買えるのも主婦には大助かりよ。時間に縛られないライフスタイルもつくりだしたわ。

 父 1店舗に2500〜3000品目もの商品が並ぶそうだ。以前はお酒は酒屋、文房具は文具店と専門の小売店だったけど、1カ所で買い物が済む「ワンストップ化」も画期的だった。

 娘 常に「旬」のものがあるのよね。

 息子 POS(販売時点情報管理)システムを利用して天候やお客さんの年齢などを品ぞろえや商品開発に反映。1年間で7割の商品が入れ替わるんだって。

 父 新しいサービスにも積極的だ。80年代の宅配便受け付けやコピーサービスを皮切りに、90年代以降、各種チケット販売やATM、さらには食事宅配などが導入された。セブンの一部店舗では2月から、印鑑証明や住民票の発行もできるようになるそうだ。

 母 総店舗数が郵便局や交番より多いなんて意外だわ。

 父 売上高は約7・9兆円で、「小売りの王様」といわれた百貨店を2008年に抜いた。今や全国に張り巡らされた、貴重なインフラだ。

 娘 災害時に水道水やトイレ、食料などを供給する拠点として、コンビニと支援協定を結ぶ自治体も増えているんでしょ。

 父 ただ、転換期に差し掛かっているのも事実だ。日本フランチャイズチェーン協会によると、09年の売上高は全店ベースでも前の年比0・6%増。月別に見ると、7月以降は前の年を割り込んでる。店舗数も飽和状態といわれているんだ。

 息子 確かに目と鼻の先にコンビニが何軒も並んでいるところって、多いもんね。

 父 高齢者にやさしい店舗を出店したり、プライベートブランド(PB)商品を出したりと各社で工夫はしているが、一方で業界再編の動きもある。ファミマのam/pm買収もそのひとつだ。

 娘 最近はお年寄りの利用も多いから、高齢社会を支える機能も期待されているわ。私たちが利便性を追い求める限りコンビニの進化は続きそうだけど、競争もいよいよ激しくなりそうね。

黒田信、伊藤学、栗原健太、服部良祐、小川悠介、近藤康介が担当しました。

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