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防災列島技術が支える――マンション、安全性・住みやすさ両立(マンスリー編集特集)
都心を中心に増えつつある高層マンション。長期間安心して住めるよう、各社は建物の構造などに地震の被害を低減する工夫を凝らしている。
住友不動産が今年4月に発売した東京都江東区のマンション「シティタワーズ豊洲ザ・シンボル」。湾岸地域で砂れき層の厚い土壌の上に建てた地上44階建てのマンションを支えるのは地下44メートルの深さまで届く118本のくいだ。上下を結ぶ柱の中には揺れを低減する「軸力フリー制震間柱」を組み入れた。制震装置の上部にすき間を設けることで、上下からかかる力の影響を受けにくくして経年変化に耐えられるという。
また部屋の間取りを大きくするため、建物の外周部と内周部に柱と梁(はり)をチューブ状にまとめて配置する工法を採用した。必要な耐震性を維持しながら住戸内の壁に不自然な出っ張りをなくせる。安全性とともに住みやすさをアピールする。
中層の物件でも免震構造を採用するマンションも登場している。新日鉄都市開発と三菱地所が共同開発する横濱紅葉坂レジデンス(横浜市)は、地上10〜12階建ての3棟すべてに免震構造を取り入れた。
建物の最下層に積層ゴムなどでできた免震装置を設置。地震時の横揺れを吸収、制動する。建物の被害を防ぐとともに、住戸内で棚が倒れるなどの被害を低減するのに寄与する。このマンションは団地の建て替え事業。従来住んでいた地権者の多くが建物の防災対策を求めたため、免震構造を全面的に採用することになった。
地震への備えは建物だけでは不十分だ。藤和不動産ら3社が東京都台東区で開発する「浅草タワー」は地震発生後の暮らしを視野に入れ共用部の設備を整える。
日ごろの雨水は地下に設けた約670立方メートルの貯留槽にため、非常時に飲料として利用できるようにする。また、食品や防災用品を備蓄する倉庫を設置。敷地内のマンホールの一部を災害時用トイレとして使える仕組みも取り入れる。
特に屋外の共用部はマンション住人だけでなく周辺地域にも開放し、防災拠点の役割を果たせるようにする予定だ。
三井不動産レジデンシャルは気象庁の緊急地震速報をマンションに提供する「地震防災システム」を開発、首都圏を中心に導入している。速報を受けると即座にマンションの立地などから予測震度や、大きな揺れが到達するまでの時間を割り出す。震度4以上になりそうな場合にはエレベーターを最寄り階で自動停止させるとともに、住戸内のインターホンや共用部のスピーカーで通報する。
既に約60施設で稼働しており、災害の瞬間に起きうる被害を軽減する役割を果たしている。













