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電子図面で施工管理――設計図から完成図など画像化、受注活動にも活用。

2012年01月20日 / 日経産業新聞 このエントリーをはてなブックマークに追加

 建設業界でIT化の動きがなかったわけではない。設計・施工図を元に完成図やその途中段階の図を立体的に画像化するBIMなどはその典型的なもの。ただ、これまでそのコンテンツを有効利用するための端末がなかったことがネックだった。

 例えば、難易度が「世界で最も高い」とされたモード学園のコクーンタワー(東京・新宿)。施工を請け負った清水建設は、どの柱をどう組み合わせるか、といった段取りをBIMを駆使し、段階ごとに3D画像を大画面のテレビに映し出し作業員に手順を周知、難作業をやり遂げた。タブレットの普及が進めば、さらにこうした作業が進めやすくなる。

 BIMの利用は施工の品質を上げたり効率化したりするだけではない。竹中工務店はBIMを使って、受注活動を強化する取り組みを始めた。秘密兵器は頭からかぶるヘッドマウントディスプレーと呼ばれる機器。実際に建設予定地に行き、ヘッドマウントディスプレーでBIMを使って作製した完成後のビルや工場の映像を見せて、どこにどんな建物が建つのかを確認、イメージしてもらう。

 「建築の企画段階から発注者との合意形成がしやすい。出来上がった後のトラブルを防ぐツールになる」(技術研究所の大石潤主任研究員)という。

 「銀河鉄道999」に登場する地球発進用高架橋は37億円、「マジンガーZ」の地下格納庫なら72億円――。前田建設工業はBIMを使い「どんな構造物の設計図もかき、施工費をはじき出す」サービスを始めた。実際、宅配ピザ大手のドミノ・ピザジャパン(東京・千代田)から月面に建設する店舗の建設費を試算してほしいという依頼が舞い込み、1兆6700億円との見積書を提示した。

 狙いはこうした試算料を稼ぐことではない。「こんな建物を建ててみたい」といった顧客の夢をBIMでイメージしてもらい、その価格をはじき出すことで企業はもちろん個人の建築需要を掘り起こす。(山根昭)

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