(社)日本建材・住宅設備産業協会より〜建材業界の最新動向【(社)日本建材・住宅設備産業協会】
ISO/TC77(繊維強化セメント製品)国際会議報告〈(社)日本建材・住宅設備産業協会 標準化センター・国際化部会〉
(社)日本建材・住宅設備産業協会のISO活動としてISO/TC77(繊維強化セメント製品)/WG7(規格整合作業検討グループ)に出席し、繊維強化セメント製品について日本の試験方法等の提案を行った。
さらに日本のJIS A 1481:2006「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」を紹介し、本件をISOに提案する場合について意見を求めたところ、米国のメンバーからはTC59(Building Construction)が適切ではないかとのコメントを得たほか、ASTM(米国材料試験協会:American Society for Testing and Materials)ではアスベスト関連規格並びに技術委員会などがあるとの情報を得た。
以下、日本のJIS A 5430(繊維強化セメント板)、JIS A 5423(住宅屋根用化粧スレート)に対応するISO 8336(改正案VER.5)、9125.1(改正案)の審議について、日本にとって関係が深い審議内容について報告する。残るISO 9933、ISO 9383、ISO 9384はISO 9125と同様ISO 8336を引用し原案を作成し次回に審議することとなった。
なお、本TC77は欧米主導となりがちであり、アジアからの参加国は日本のみである。今後とも日本に不利にならないように基本5規格の見直しを図る必要がある。
参考:ノンアスベスト基本5規格
| ISO8336 | Fibre Cement Flat Sheets(繊維強化セメント平板) |
| ISO9125 | Fibre Cement Slates and Fitting(繊維強化セメント製スレート及び付属品) |
| ISO9383 | Products in Fibre-Reinforced Cement-Short Corrugated or Asymmetrical Section Sheets and Fittings for Roofing(繊維強化セメント製品-屋根用小波あるいは非対称断面平板及び付属品) |
| ISO9384 | Fibre Cement Siding Shingles(繊維強化セメント製サイディング) |
| ISO9933 | Long Corrugated or Asymmetrical Section Sheets and Fittings for Roofing and Cladding(屋根とクラッディング用長波形あるいは非対称断面の板及び付属品) |
○日本側出席者:
大澤光春((株)エーアンドエーマテリアル 技術開発研究所 主任研究員)
佐伯秀雄((社)日本建材・住宅設備産業協会 企画部長)
○ISO/TC77関係者:
Mr. John Cotter (オーストラリアJames Hardie社:TC77新議長)
Mr. Jean Wustenberghs (ベルギー CRIC社:TC77事務局)
Mr. Lieven Alderweireldt (ベルギー Redco社:TC77前議長)
他 米国2、オーストラリア、デンマーク、アイルランド 各1、計10名
■ISO/TC77/WG7(繊維強化セメント製品 規格整合作業検討グループ) 国際会議
(平成19年2月1日(木)・2月2日(金) ORCHARDE GARDEN HOTEL 会議室(サンフランシスコ)参加:7カ国 計10名)
a)ISO 8336(改正案Ver.5)の日本の提案に対する検討結果及び質問事項の回答
1)長さ幅の許容差:JISの長さ及び幅の許容差がISO 8336(改正案VER.5)より厳しいことに関し、Note(注)の内容変更を提案した。その結果提案内容はNoteの文章に含まれるということで変更しないこととなった。しかし、参考情報としてJISの方法を新たなNoteとして追加して例示すること、及びこの文章を事務局が作成することを確認した。
2)厚さの許容差:JISの厚さに関する許容差ISO 8336(改正案VER.5)より厳しいことに関し、Noteの内容変更を提案した。結果は1)と同じ。
3)低強度品:ISO 8336(改正案VER.5)の分類Aに低強度品があり、該当する製品が日本には存在しないため、その概要及び用途を質問した。その結果、当該製品は耐力を必要としない窓枠、ドア框など、室内外の装飾あるいは造作材として使用される、20〜40mm程度の厚板であるとの回答を得た。
| 分類A | 外装用として使用されるもので、太陽、雨、霜、または、雪など直接の影響を受ける。化粧品も含む。 |
| 分類B | 熱、湿気、及び、霜などが防げる箇所で使用するもの。厳しい風化状態にさらされない所で使用されるもの。 |
| 分類C | 内装用として使用されるもので、熱、湿気、及び霜の影響を受けない。タイル用下地材、内壁、フロアなどに使用されるもの。 |
4)湿気挙動:湿気挙動(寸法変化率)については測定方法がJIS法と全く異なる。ISO 8336(改正案VER.5)の方法は測定に長時間要し、得られる数値が全く異なることから、短時間で測定可能かつ精度の高いJIS法の採用、あるいはこの試験を任意とすることを提案した。その結果、いずれも本提案の採用には至らなかったが、JIS法による測定及びその測定結果を存続させるための方策として、Noteを訂正することとした。
5)熱伝導率:熱伝導率について、分類A及び分類B、分類Cとも任意試験とすることを提案した。その結果、ほぼ提案が採用された。
6)耐凍結融解性:分類Aに対して必要とされる耐久性能が50サイクルから100サイクルに延長され、更に強度残存率が0.8以上に変更されたことに対し、その理由を質問するとともに、オーバースペックとなることを避けるべく、サイクル数及び強度残存率とも現行通りとすることを提案したが、採用には至らなかった。質問に対する回答は以下の通りである。
「従来はA、Bの2分類だったが、実際の耐久性能で問題が生じたため、A分類をAとBに細分化した。A分類の試験サイクル数は欧州ではすでに100サイクルになっているが、これは実用性能が50サイクルの性能では問題が生じたためである。また強度残存率はASTMが0.8であり、米国ではこの性能が義務づけられているためである。」
7)加熱散水:現行の分類AがAとBに細分化するのに伴い、A分類のサイクル数が50に倍増されたため、これに至った理由を質問するとともに、オーバースペックを避けるべく、A分類のサイクル数を現行通りの25サイクルとするよう提案したが、採用には至らなかった。質問に対する回答は以下の通りである。
「従来はA、Bの2分類だったが、実際の耐久性能で問題が生じたため、A分類をAとBに細分化した。A分類の試験サイクル数は欧州ではすでに50サイクルになっているが、これは実用性能が25サイクルの性能では問題が生じたためである。」
8)温水浸漬:C分類は内装用であるため、この試験は任意試験とすることを提案した。その結果提案は採用には至らなかった。C分類は内装用であるが、水に濡れる場合があり、この場合補強繊維の耐アルカリガラス繊維が劣化する場合があるためこの試験が必要であるとのコメントがあった。
9)耐乾湿性:これについても8)と同様の提案を行ったが同様の理由に採用には至らなかった。
10)防かび試験、釘引き抜き試験、剪断接着試験:これらの試験に関し、任意試験であることが本文中に示されている分類については、表にもその旨の表現を記載するよう提案した。しかしこれらについては前述のNoteを参照するよう記載されているため、任意試験であることが理解できるとの理由で採用には至らなかった。
11)製品性能:耐用年数については規定そのものをとりやめたにもかかわらず、意味なく参照用文章が残されているため削除を提案した。その結果、本規格で製品の耐用年数が論じられるものではないことを明らかにするためには、この文章が必要であるとの理由により採用には至らなかった。
12)数式など:附属書などの中で数式の誤り訂正及び、微妙な文章表現の変更を提案した。数式は訂正された。文章表現については省略することにした。
13)その他
○日本では耐凍結融解性が低い珪酸カルシウム板(以下、ケイカル板)が寒冷地でも問題なく軒天に使用されていることを紹介。一方この用途は改正ドラフトではBに分類され凍結融解試験が必須となっており、これによってケイカル板の軒天向け使用に影響が生じるおそれがあるため、「軒天用途をC分類に変更する」ことと「ケイカル板については分類Bの用途でも凍結融解試験は不要とする」ことの2案を追加提案した。その結果いずれも採用には至らず時間の関係上十分な議論もできなかったが、今後の懸案事項として検討することとし、議事録に残すこととした。
○本規格で使用できる補強繊維として炭素繊維も包含されるよう文章変更を提案し採用された。
○A分類とB分類の透湿抵抗性を任意とすることについては充分議論出来ていないため、次回の会議で再提案する必要がある。
b)ISO9125(繊維混入セメントスレート)改正に関する審議
プロジェクトリ−ダーのMr. Gelhard Huttnerが本案件を進めた。ISO 8336(改正案VER.5)を基にした原案が紹介され、これに対する審議がなされた大半がISO 8336(改正案VER.5)を引用しているため根本的な問題は少なく、文章表現に関する検討に終始。
ISO/TC77の活動詳細についての問合せ先
(社)日本建材・住宅設備産業協会
事務局 佐伯秀雄
TEL:03-5640-0901 FAX:03-5640-0905














