(社)日本建材・住宅設備産業協会より〜建材業界の最新動向【(社)日本建材・住宅設備産業協会】
「住宅への火災警報器設置義務化」〈(社)日本建材・住宅設備産業協会 生活支援委員会〉
建産協の生活支援委員会では、平成18年6月1日に施行された「改正消防法」に対応する「住宅への火災警報器設置義務化」について予てより調査活動を推進してきた。昨年度は情報の収集と住宅関連業界への情報提供を事業活動の柱とし、12月12日にはセミナーも開催している。平成18年度も引き続き活動を行っており、第2回セミナーは平成18年6月29日に開催した。

第1回セミナーの概要は以下の通り(内容は平成17年12月12日現在のもの)。
■講演1
講師:松下電工株式会社 HA・セキュリティ事業部
市場開発グループ部長 石井 秀博 氏
改正消防法により平成18年6月1日から住宅用火災警報器の設置が新築の一般住宅、小規模共同住宅などに義務付けられる。既存住宅への設置も義務付けられたが、その期日については設置期日を設けるよう各市町村条例に委ねられている(平成18年を起点として施行後2年から5年以内)。
住宅への火災警報器設置義務付けの背景には、住宅火災による死者の増加がある。建物火災の6割が住宅火災であり、死者の数においては8割にも達している。そしてその亡くなった方のうち8割が火災発見を遅れたことによる逃げ遅れが原因となっていることから、今回歯止めをかけることを目的に、価格が安く、効果の期待できる住宅用火災警報器の義務付けが図られた。住宅用火災警報器を設置する制度について世論調査を行ったところ、住宅火災警報器の設置義務に関し賛成は7割あった。
アメリカの場合は、1977年から火災警報器の設置が義務づけられ、その設置に伴い火災による死者数が減り、最近では93%の普及率になって死者数も最も多い時に比べ40%も減少した。
東京消防庁は、既に平成16年10月から新築住宅向けに義務付けを行っている。既存住宅については努力義務となっている。
住宅用火災警報器とは、火災の煙や熱を感知する部分と、警報を発する警報部分が一緒になった警報器であり、小型、軽量であり住宅に設置するのには適した商品である。
また電源はAC100V式と電池式があり、新築はAC100Vが多く設置され、既設住宅には設置が簡単な電池式が設置されるようである。熱を検知する警報器もあるが、設置される住宅用火災警報器は煙を検知するものが一般的である。設置場所は寝室、階段(一部台所も含まれる)などが中心となっている。就寝中に火災が発生し、その火災発生を知るのが遅く逃げ遅れることが火災時の死者を増やしている理由になっていることから、寝室には必ず火災警報器を設けることになっている。寝室が2階にある場合は階段上部に取り付ける必要がある。平屋であれば、寝室のみに設置すればよい。設置は寝室のある階の階段最上部になる。更に床面積が7m2以上ある居室が5以上存する階の廊下は、その廊下にも火災警報器を設置する必要がある。
火災警報器を設置する方法は、天井に設置する場合、壁から60cm以上離して設ける。梁があれば梁から60cm以上離す。壁に設置する場合は天井面から15cm以上50cm以内になるように壁面に設置する。エアコンが有る場合は1.5m以上離して設置する。
就寝のように利用する居室とは、住宅の設計上想定された寝室のみならず、居住者の生活実態に着目して想定されており、例えば、子どもが就寝する子ども部屋、日中は居間として使用するが夜は就寝に利用する居室が寝室に該当する。
また、以前は5階建て以下、10階以下の一部の共同住宅においては耐火構造により延焼の恐れがないとのことで、火災報知設備の設置が免除されていた既存建物が結構ある。そのような過去に免除されていた建物も、今後は住宅用火災警報器の設置が必要になる。一般住宅、共同住宅、併用住宅含めてすべて住宅には何らかの形で火災警報器が付くことになる。
100V式の火災警報器については、いわゆる一般ビルの火災報知機の設備とは違い、普通のケーブルを使って配線施工ができる。壁スイッチからの電源だと壁スイッチを切ると火災警報器の電源も切れてしまうので、壁スイッチを経由しないことが義務づけられているだけで、配線は自由にできる。
火災警報器は煙や熱を検知する商品であり、正常に煙、熱を検知できるのかどうか内部的にセルフチェックする機能(自動試験機能)が入っている。このような商品は自動試験機能で警報が出るまでは使える。自動試験機能が入ってないものついては最大10年をめどに交換期限を火災警報器に表記するようになっている。
■講演2
講師:ホーチキ株式会社 渉外室部長 有野 隆則 氏
住宅用火災警報器の設置義務付けについて次の二つの課題についての講演であった。
・市町村条例の制定状況と概要
・住宅用火災警報器選択の注意点
住宅用火災警報器設置の義務付けは、平成18年6月1日に全ての住宅に付いてなければいけないという法律である。但し、既存住宅は地域の特殊性を考慮し、市町村の条例で最大5年の範囲で遅らせることができる。
市町村条例の改正状況について、現在、消防本部総数844のうち539の消防本部が決めている(63.7%)。
平成17年10月17日現在2338市町村の内1320が決めている(56.5%)。
消防本部というのは大きな都市では単独で構成するが、小規模な市町村等は、近隣の市町村と協力して統一の消防本部を設ける。
まだ条例を決めていないほとんどの市町村は、東京都を含め2〜3月に集中するのではないかと考えている。条例の特徴的なことは以下の3点。
・台所への設置義務づけ
・既存住宅への適用日
・設置届け等の届出義務
これらの状況については、社団法人 日本火災報知機工業会のホームページに最新データが掲載される予定である。
現在までのところ、台所に設置が必要であるとする市町村は98(40消防本部)、全ての部屋に必要は2市町村である。既存住宅への適用日は、
公布されてから
一年後 1市町村(千葉県我孫子市)
二年後 336市町村
三年後 232市町村
四年後 2市町村
五年後 749市町村
現在65%程度の市町村が条例の改正を決めている。
◆台所への設置について
どこの消防も台所に付ける必要があると考えている。
火を使っている台所に設置せずに、火を使っていない寝室になぜつけなければいけないのかという疑問も出ている。
政令指定都市(大都市)は台所への設置を義務付けているところが多い。他の市町村は、条例に付加しようとすると、データを集めたり、法令文書を書いたり、法令化作業をするといったことがなかなか出来ないので、国のお手本どおり、努力義務になっている。しかし実際は強く指導するといわれている。火災発生率の高い台所については必要だと理解して欲しい(死者の発生が多いのは寝室)。
◆今後の課題について
今回の法改正で全ての住宅に設置が義務づけられているが、耳の不自由な方は約700万人いると言われている。高齢化社会を迎え、加齢によって聞こえにくい、聞こえない人が非常に多くなると考えられる。
聞こえやすい警報音は一般に500Hzから1kHzといわれている。パトカーは520Hzから1050Hzの間、消防車は570Hzから650Hzの間でサイレン音にして鳴っている。
外国では聴覚障害者のために、聞こえやすい警報音+ストロボを点滅させる装置を義務づけたり、用意したりしている。
各社の火災警報器の周波数、音圧レベルを測ってみたところ、何れも70デシベル以上をクリアしているものの、周波数が高くて高齢者等には聞きにくいものが多い。
また、住宅用火災警報器は付けるだけではなく、家族に付けたことを説明し、どのような音がするのか、火災時の処置、避難方法などについて充分家族で話し合うことが必要である。














