(社)日本建材・住宅設備産業協会より〜建材業界の最新動向【(社)日本建材・住宅設備産業協会】
「省エネ住宅居住状況実態調査」研究報告書概要〈(社)日本建材産業協会 省エネルギー建材普及促進センター〉
平成15年度事業の一環として省エネルギー建材普及促進センターでは、東洋大学工学部建築学科の土屋喬雄教授を委員長とする広報調査委員会を組織し、実際に高断熱・高気密住宅に入居している人に住み心地についてのアンケート調査を行い、メリット・デメリットを入居者の視点で分析することとした。その結果が、住宅新築予定の一般ユーザーに高断熱・高気密住宅の良し悪しを判断する際の足がかりとして利用されること、それによって高断熱・高気密住宅の普及促進の突破口になることを願い研究を開始した。
今回の調査研究は東洋大学工学部建築学科の土屋研究室にて、アンケート調査、ヒアリング等を行った。
1.アンケート調査方法
今回の調査には、ホームビルダー4社の協力を得た。4社には、実際に高断熱・高気密住宅を購入した顧客を選定してもらい、その名簿をもとにアンケート送付を行った。また、その中から数件のお宅に訪問し、面談調査をすることにより紙面だけでは分かりかねる事柄(体感する室温や音環境問題、近隣地との関係など)をヒアリングした。アンケート調査件数は以下の通りである。

そして、回収したアンケートの集計結果をもとに各ハウスメーカーの仕様や特徴を調べ、アンケート結果にどのように影響を与えたか考察した。具体的には温湿度環境、音環境、換気など、項目別に調査し、高断熱・高気密住宅は実際の入居者にとってどれだけのメリット・デメリットがあるのかを分析した。
2.アンケート調査内容
家族構成、生活時間
以前の住居と現在の住居についての、環境、構造、年数、間取り、仕様、生活形態、音、冷暖房、足元の冷え、結露、住替えの理由、満足度など
3.まとめ及び今後の課題
(1)メリットと感じている点
●断熱材でくるまれ、魔法ビンのように密閉されている高断熱・高気密住宅では、外気温や風などの外部環境要因に左右されずに一年中快適に過ごすことができる。実際に住んでいる人からも、「冬暖かい」という意見が一番多く得られた。
●冷暖房の効きも格段に良くなり、エアコンの温度を過剰に設定しなくて済み、快適温度になったらすぐに止めてしまっても効果が持続するので冷暖房費が削減でき、環境問題の観点からみても、CO2排出が抑えられ、省エネ効果があると言える。
●結露も無く、「冬の朝に寒くて起きられない」ことがなくなり、朝から晩まで1日中快適である。また、家中どこでも温度が一様なので、寒くて使用できない書斎などの無駄なスペースがなくなり、実質的に家が広く使える。吹き抜けも自由に設置でき、設計の自由度が増す。
(2)デメリットと感じている点
●「夏は暑い」、「冬期の過乾燥が気になる」、「漬物が腐りやすい」、「季節感がなくなる」ことなどをデメリットと感じているようである。
●「夏は暑い」というのは、魔法ビンのような高断熱住宅の中へ直射光を入れているためで、「冷房を入れれば、すぐに改善する」と答えているように、冷房を切っているときの場合である。
●「冬期の過乾燥が気になる」というのは、常時換気のために冬の乾燥した外気が室内に入り、湿度が低い状態になってしまうためである。対策として、加湿器を使用している住人もいた。
●高断熱・高気密住宅は、従来の住宅とは仕様が異なるので、それに見合った住まい方が必要になる。今までの生活スタイルをそのまま持ち込もうとすると、多少の不具合が出てしまう。(食物の保管、温度調整など)
4.調査を終えて
総合的に見ると、ほぼ全員が「満足」と回答していることから、高断熱・高気密住宅の住み心地の良さが裏付けられたと言ってよいだろう。面接を行った際に、これらの良い点を現場で体感できたが、一方で、夏期の日射対策、冬期の過乾燥対策など、総合的な取り組みは今後とも必要とされよう。
また、今回のアンケート調査の範囲はIV地区で、主に関東(埼玉県内)に偏ってしまった。戸数も標本にするには少なすぎる。今後は、もっと戸数を増やし、エリアも関東だけではなく、近畿・中国・九州地方まで拡大した調査の実施が必要であろうし、IV地域に限らず全ての地域で調査を行うことにより地域性の特徴を捕らえ、精度を上げることも重要であろう。

問合せ先
(社)日本建材産業協会
省エネルギー建材普及センター
事務局 関
TEL03-5640-0901 FAX03-5640-0905
URL: http://www.jkiss.or.jp/syoene/











