韓国の建築・建材市場 最新レポート【田 采輝氏】
第3回「韓国ソウル市、来年から環境共生建物等に減税支援制度を導入」
韓国のソウル市では、早ければ来年2008年1月から、市内で環境共生建築物を建設する場合、取得税及び登録税の減免を受けることができる制度が導入される見込みだ。
ソウル市は先月8月16日、環境共生建築物に対して、まず地方税を減免し、また5万平方メートル(約1万5000坪)以上の都市再開発及び再建築事業の場合、エネルギー計画書作成を義務付ける内容の「ソウル市環境共生建築基準」を発表した。
従来、ソウル市の環境共生建築基準を通るためには、新築建物の場合、建設交通省と環境省の「環境共生建築物認定制」の優秀等級(65点)以上、産業資源省の「建物エネルギー效率等級」の2等級以上、「エネルギー性能指標」の74点以上の条件を必ず満たさなければならなかった。ただし、この制度はもっぱら建築主の自発性に任せられており、法律的な強制力がなかったものだ。
今後、ソウル市の環境共生建築物の等級判断については、建設交通省の環境共生建築物認定制と産業資源省の建物エネルギー效率等級制を組み合わせて決めることになる。
市はソウル特別市の税減免条例の改訂と行政自治省との協議を経て、早ければ来年1月から環境共生建築物の地方税減免を施行することにした。減免の水準についてはこれからの議論で、未定ではあるが、1等級に対しては20%、2等級は15%、3等級は10%、4等級は5%の4個等級に分け、各等級別差等を置くことにするという。
特に市は、環境共生建築事業に参加する施工社と設計社に対して、事業参加のインセンティブを与える方法で、環境共生建築の参加を政策的に誘導する方針だ。また、市は民間の環境共生建築物に対する地方税減免と設計社及び施工社に対するインセンティブなどについても、中央政府と協議及び関連法条例の改訂を通じて早ければ来年初から施行する計画だ。
新しいソウル市の環境共生建築基準では、ソウル市内で建設する公共建築物は新再生エネルギー施設を義務的に設置し、環境共生建築物基準を通らなければならない。なお新築、増築、改修及び補修の際には、標準建築工事費の5%以上を新再生エネルギー施設設置に投資しなければならないことになる。
またソウル市のSH公社が建設するすべての集合住宅については「住宅性能等級認定」を受けなければならない。同時に SH公社の集合住宅事業の標準建築工事費の1%以上を新再生エネルギー施設設置に投資させるよう義務付ける。また民間建築物の場合も中央政府との協議を経て、環境共生施設への投資割合を段階的に向上、義務化することにしている。
ソウル市はまた5万平方メートル以上の住宅再開発及び再建築、ニュータウン事業、国家均衡発展促進地区、地区単位計画整備区域などの事業計画の際、エネルギー計画書を義務的に提出するようにした。現在は30平方メートル以上の事業だけエネルギー計画書を作成するようになっているが、これを大幅に見直して強化する計画だ。このエネルギー計画書には温室ガス低減対策、新再生エネルギー施設設置、エネルギーの需給予測、エネルギー利用效率向上方案などを含まなければならない。
既存建築物の中、公共建物に対しては、ソウル市の各室、局、本部、事業所及び自治区別で、エネルギー原単位(単位面積当たりエネルギー使用量)の目標管理制が導入される。この計画はまず公共建物から実施し、徐々に民間建物まで拡大する計画だ。更に年間エネルギー使用量が100TOE(Tonnage of Oil Equivalent)以上の公共建物と500TOE以上の民間の建物に対してはエネルギー合理化事業を持続的に誘導するという計画だ。
市は「ソウル市環境共生建築基準」に基づき、2020年までにソウル市の建物から発生する温室ガスの約15%、およそ200万トンを減らす方針だ。2005年基準で建物からの温室ガスは約1282万トンで、ソウル市の総発生温室ガスの43.2%を占めている状況だ。本基準が施行されることで、新築建物は少なくとも20%、既存建物も同10%の以上の省エネルギー効果と温室ガス減縮が可能と予想される。現在ソウルでは、建設交通省と環境省の環境共生建築物認証を受けた建物は56ヶ所で、その中、最優秀等級を受けた建物は、ソウル中央郵便局庁舍、三星生命瑞草タワー、ヌリクムスクウェア、アイパーク三成洞建物など5ヶ所がある。
田 采輝氏 プロフィール
韓国釜山生まれ。東京大学工学部建築学科博士課程(工学博士)。
東京大学及び米国ワシントン州立大学訪問教授。釜山アジア大会組織委員会委員、釜山市及び慶尚南道諮問委員会委員、社団法人釜山国際建築文化祭組織委員など歴任。現在、韓国・仁済大学工学部建築学科教授。
Email:archjon@inje.ac.kr














