韓国の建築・建材市場 最新レポート【田 采輝氏】
第2回「建設と環境の調和をめざして〜韓国建設交通省、第2次建設環境基本計画の施行へ、今年から5カ年計画で」
韓国建設交通省の第2次建設環境基本計画が、1年間の準備を経て、今年から2011年まで5年間施行される。2001年から2006年までの第1次建設環境基本計画は、開発自体をできるだけ規制する政策であったが、今度の第2次基本計画では、環境への配慮と建設事業の両立に向けた、より積極的な政策に変わりつつある。さらに、第2次計画では自然と共生する環境共生建設を目指しながら、建設と環境の調和のために、建設事業(現場)の環境性を強化することが政策の重要なポイントとなっている。
これからの建設環境政策の方向としては、最小排出(Least Emission)理念を実践することにある。実践上では、(1)計画段階での建設事業の環境性強化 (2)施工段階でのきれいな建設現場実現 (3)管理段階での建設廃棄物発生抑制及びリサイクル促進、以上の3点が主要な課題となる。
これらを具体的に見ていこう。まず計画段階での建設事業の環境性強化のために、建設環境先進化戦略計画の確立と、客観的な環境性評価のための指標指数開発を推進する。開発事業過程に環境専門家が参加するMEP(Master Environmental Planner)システムの導入と、GP(Green Plan)が制度化される見込みとなった。同時に、気候変化協約に基づくエネルギー消費及び炭酸ガス排出規制のため、新築建物の省エネ設計基準強化、建築物エネルギー效率等級、環境共生建物認証制を活性化し、同時に生態面積率導入やU-Eco City研究開発を推進する方針だ。
次に、施工段階でのきれいな建設現場実現のためには、土砂や汚染物質の流出を根本的に予防し、毀損された建設現場に対する環境保全と復元対策、建設現場の騒音振動と飛散ごみ発生抑制策の整備が重要だ。このため、表土撹乱面積の最小化と土砂流出量算定法を検討し、また生態移動通路と切開斜面の復元方案、環境共生建設工事のための環境基準などが策定される見込みだ。さらに、騒音振動と飛散ごみによる被害を最小化するために、合理的な騒音振動規制基準作成、騒音振動と飛散ごみの発生抑制基準と対策を検討する。あわせて、建設環境専門の人材活用方案も推進する。また環境性検討指標指数開発のため環境性検討と指標指数体系の確立、開発モデル事業実施、建設環境データベースの構築、ユビキタスシステムを利用した環境性評価などが推進される見込みである。
最後に、管理段階での建設廃棄物発生抑制、リサイクル促進のため建設廃棄物発生抑制技術及びシステムの構築、また廃骨材リサイクル促進のための施工指針などを制定する。全廃棄物発生量の約50%を占めている建設廃棄物の発生抑制政策が主要なポイントである。このため、建設廃棄物発生量低減のための設計施工指針の開発と制定を推進し、廃棄資材のリサイクル技術開発及び普及を推進する。廃骨材のリサイクルのために、廃骨材使用義務の対象工事を拡大し、廃骨材リサイクル促進のためのインセンティブ制導入などガイドラインを制定する。同時に、建設廃棄物情報管理システムの定着を図り、建設交通省の骨材需給計画に廃骨材活用と実務要領を含むものとする。
このような制度整備への着手によって、まず大型の国策事業及び大規模の開発事業施行の際に、工事前の検討事項が強化され、環境に対する計画及び検討が増えていくことが期待されている。次に、建設現場管理が強化され、施工側の現場管理に人的、財政的な負担が増す見込みだ。また廃棄物処理及びリサイクルに対する規制強化で、建設工事の品質に関する議論や、廃棄物処理業者との建設廃棄物の分離発注問題が持続的に起こり得るのではないかと予想されている。
田 采輝氏 プロフィール
韓国釜山生まれ。東京大学工学部建築学科博士課程(工学博士)。
東京大学及び米国ワシントン州立大学訪問教授。釜山アジア大会組織委員会委員、釜山市及び慶尚南道諮問委員会委員、社団法人釜山国際建築文化祭組織委員など歴任。現在、韓国・仁済大学工学部建築学科教授。
Email:archjon@inje.ac.kr














