韓国の建築・建材市場 最新レポート【田 采輝氏】
第1回「韓国建設交通省が推進するU-City(Ubiquitous-City)政策の現状」
建設交通省とU-City協会などの関係者によると、大韓国土都市計画学会及び大韓住宅公社、韓国土地公社などの共同作成で、U-City建設支援法の原案が、2006年10月13日、建設交通省に提出された。
U-City政策とは、都市の企画及び設計段階から、いつ、どこでもハイスピードインターネットに接続できるユビキタスサービス技術を盛り込み、行政、交通、保健医療、文化、教育など、市民生活をより便利で快適にしようとする都市政策のこと。韓国政府によるU-City政策の礎となる、U-City建設支援法試案が準備され、法令制定に向けた動きが加速している。しかし、国土基本法との整合性や、既存都市に対する適用方法など一部懸案の合意ができておらず、今後の法案準備過程において産みの苦しみが予想される。
まだ公式的には発表されていないが、原案では国土基本法との整合性、及び地方自治体のインセンティブ提供方策、U-City運営センター維持の費用分担などで、ある程度関係者の合意が得られたそうだ。
まず法の性格面では、今後のU-City推進に必要な会計と基金問題などを考慮し、国土基本法を上位法にした個別事業法形態を取ることになる。
また、事業施行者である地方自治体の円滑なU-City推進のため、事業計画樹立と実施計画認可などにインセンティブを提供する方策も含まれる予定だ。同時に莫大な維持費が必要となるU-City運営センターは、公共施設の性格を帯びることを勘案し、事業施行者である地方自治体が税金形態で負担して個人から管理費用を集め、不足財源の一部に充当する方向だ。
建設交通省は、このような内容の原案を元に、情報通信省との協議内容を反映して、10月末ごろ公聴会を経て年内制定を完了する計画だ。
釜山市も、U-City建設には積極的だ。釜山市によれば、ユビキタス技術とサービスを交通と観光、コンベンション、医療などU-Cityのインフラに適用、地域経済に活力を与えるとともに市民生活の質の向上を進めていく方針だ。市は今年10月から市内5ヶ所の療養院と6ヶ所の保健所を中心に、遠隔診療が可能なシステムを構築、導入するとともに、来年からは一般を対象にこのようなU-ヘルス事業を拡大、元気なU-City造りに取り組んでいくこととした。
さらに、U港湾統制センターを構築、税関と出入国管理事務所、釜山検疫港湾ターミナルとともに税関業務と移民、検疫業務を有無線で処理し、コンテナなど物流情報を船社と貨物・コンテナ社などと共有する事にした。地域建設産業の新しい需要創出と先端産業化のため、再開発事業にU-Cityの先端インフラを反映する計画だ。市は今後、大韓住宅公社や釜山都市公社がニュータウン事業や新都市を建設する際は、U-City計画で建設するように誘導する方針だ。
また、建設交通省はU-Homeに関する制度整備にも本格的に取り組む予定だ。まず装備、機器設置位置及び大きさなどの基準と設計基準の標準化など、建築環境にふさわしいホームネットワーク基準を用意し、ホームネットワーク瑕疵補修など、維持管理基準を提案する。住宅性能等級表示制度にホームネットワーク項目を追加し、ホームネットワーク及び電化住宅認証制の定着のため、産業資源省、情報通信省と協議し、建設・IT分野の専門家による研究会を結成して、政策の方向性や、制度改善案を提示していく考えだ。これと共に未来型住居モデルを開発、ホームネットワークに配慮した住宅設計指針、既存住宅のホームネットワーク設置基準、ホームネットワークに対応した構造及び設備基準、ホームネットワーク性能を高めるための維持管理基準などについては、民間への研究委託で推進する方針だ。建設交通省はこのような制度整備を通じて
◆建設及びIT産業の国際競争力強化
◆先端技術支援でIT住居福祉実現
◆未来型住宅技術開発及び技術輸出基盤構築
などの効果を期待している。


2006年6月、KINTEXで行われたSmart Home Network Show会場場面
田 采輝氏 プロフィール
韓国釜山生まれ。東京大学工学部建築学科博士課程(工学博士)。
東京大学及び米国ワシントン州立大学訪問教授。釜山アジア大会組織委員会委員、釜山市及び慶尚南道諮問委員会委員、社団法人釜山国際建築文化祭組織委員など歴任。現在、韓国・仁済大学工学部建築学科教授。
Email:archjon@inje.ac.kr














