韓国の建築・建材市場 最新レポート【田 采輝氏】
第4回「韓国環境省、雨水利用施設の設置義務を公共庁舍まで拡大」
韓国では早ければ来年から、一定規模以上の増改築の建物に対しても雨水利用施設を義務的に設置しなければならないが、これを、新築の公共庁舍にまで対象を広げることになりそうだ。
去る7月15日、韓国環境省が最近立法予告を終えた水道法改正案によると、雨水利用施設の設置義務対象建築物を、公共庁舍まで拡大することを骨子とした基準案を検討することになった。
改正案は、雨水利用施設の設置対象施設を、既存の総合運動場及び体育館と共に、公共庁舍も含む方向にまとめる方針である。
また、施設の設置結果を市長・郡守・区長への届け出制とし、市長・郡守・区長は雨水利用施設の管理状態を調査し、改善に向けた必要措置を取ることができるようにしている。
ただし、環境省は立法予告の期間中、行政安全省の働きかけを受けて、この法の施行以前に既に建築許可を受け取った公共庁舍の場合は追加予算の確保が難しいという事情を配慮して、設置対象に含めないことにした。
これと共に国防省からも、施設の特殊性と予算不足などの理由で、設置対象から除いて欲しいという要求のある館舎及び兵営施設など軍幕舍も例外とすることにした。
環境省は改正案に上記の追加意見を反映して、規制改革委員会及び法制処審査、国務会議の議決などを手順を経って、来る定期国会に提出する予定だ。雨水利用施設設置建築物の法律は改正案の公布日から6ヶ月後施行される。
現在環境省は、16市・道から公共庁舍の現況報告を受けており、全対象建築物数及び屋根面積, 建築延べ面積などを検討して、雨水利用施設の設置対象規模及び貯留容量の算定基準、設置予算などの詳細基準を、年内までに用意する計画である。
環境省関係者によると「すべての公共庁舍に雨水利用施設を設置させるわけではない」「専門家らより意見を十分いただいて経済性や効率性などを検討してから設置対象面積を算定する計画である」と述べている。
雨水利用施設の普及方策として、例えばソウル市は新しく条例を設けて、環境共生建築物の認証及び容積率緩和などのインセンティブを与えながら施設の設置を奨励している。その具体的事例として、ソウル広津区スターシティとソウル大学寄宿舎などが挙げられる。

写真左:スターシティ外観/写真右:スターシティ夜景
ソウル大学寄宿舎全景
(田采輝、仁済大学工学部建築学科教授・工学博士)
田 采輝氏 プロフィール
韓国釜山生まれ。東京大学工学部建築学科博士課程(工学博士)。
東京大学及び米国ワシントン州立大学訪問教授。釜山アジア大会組織委員会委員、釜山市及び慶尚南道諮問委員会委員、社団法人釜山国際建築文化祭組織委員など歴任。現在、韓国・仁済大学工学部建築学科教授。
Email:archjon@inje.ac.kr














